ちゃんしん

サード・パーソンのちゃんしんのネタバレレビュー・内容・結末

サード・パーソン(2013年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

自責の念に囚われる小説家の心の葛藤。

自分の不注意から最愛の子を亡くした小説家が、自伝的小説の中で我が子への想いを綴ろうとする。
小説家は自分の心の中から常に湧き上がる自責の念に支配されながらペンを走らせ、やっとその事実と向き合うことと、子供への深い愛情と想いを繋げることで自分の罪と向き合おうとするが…。

物語は小説家が自分の書いた物語の中で現実と想像の世界が交錯しながら進んでいく。

芸術家として、子供の心には無関心な男…。
30秒間、目を離した隙に子供を亡くした男…。
自責の念から他人の子供の為に幾らでもお金を積む男…。
現実逃避して、新しい人生に生きようとする男…。
自分の愛人に対する無償の愛情を子供にも捧げたいと思っているが…。
しかし、息子が亡くなった原因である一番の理由はまだ小説にしていない。
その事実を知った愛人(子供)は、小説家から逃げていく…。

「Watch me…、僕を見て」

僕が死んだ一番の原因は何?
僕を見ていたら僕は死ななかった…。 本当のことはまだ書かないの?
小説家の心の中の葛藤が見える。

リーアムニーソンさん演じる主人公の小説家と編集者、主人公の妻以外はすべて小説の中の登場人物なのだろう…。
二人の男は主人公のことであり、愛人は自分の子供のことを意味しているように思う。
一つの物語の中に3つの話を織り交ぜ、現実と想像の中で小説を作り出していくが…、まだ核心は語ることが出来ない。
一人の男の弱さと心の葛藤が見える…。
小説家として自分自身のことを第三者的視点で書き出した物語…。
面白い。

複雑で面白い作りをした作品。
ちゃんしん

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