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天才スピヴェットのdominoのネタバレレビュー・内容・結末

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


いい意味で予想外!

広告の印象はタキシードでピタッと決めてる彼のせいか、小生意気な天才児の話に思っていました。

全くもってそれは違くて、精神的にもとても長けていて、尚且つ頭がいいことが主体ではなく、一つの家族の形と冒険の話でした。


カウボーイに憧れる父
昆虫博士の母
アイドルになりたい姉
父のカウボーイ魂を受け継ぐ弟
そして発明家スピヴェット。

田舎で暮らす彼にとってその町は小さく、そして自分の居場所はないと感じてしまう。

彼は父のフリをして自分の発明をワシントンへ送り、1本の電話を頼りに1人冒険の旅に出る。

ヒッチハイクやホットドッグのお姉さん
お爺さんの杉の木の話。
旅の先々で空想の弟と巡り合う。

ワシントンに着いて天才だと崇められ讃えられるものの、それに喜びを感じるのは一時のこと。

結局は世界に認められても、
たった1人の存在には勝てない。
父に、家族に認められたいのだ。


彼は気付く。
自分では無く、
自分の論理が人々を呼んでいるのだと。

人々は映画を観るように自分を見ている。


旅に出る時、お父さんの車が止まらず前を横切った様に、 少しのすれ違いが大きな溝になっていく。

人間は言葉が使えるのだから。
大切なひとこそ、傷つけるの承知で会話しなければならないと再認識させられる。


「水滴が素晴らしいのは、一番抵抗の少ない道を通るからだ。」

素敵なセリフでした。

また改めて観たい映画です。

しかし、やはりストーリーの意向が広告から取れないので、それが狙いでないのなら少し勿体無い気がする。
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