このレビューはネタバレを含みます
いい意味で予想外!
広告の印象はタキシードでピタッと決めてる彼のせいか、小生意気な天才児の話に思っていました。
全くもってそれは違くて、精神的にもとても長けていて、尚且つ頭がいいことが主体ではなく、一つの家族の形と冒険の話でした。
カウボーイに憧れる父
昆虫博士の母
アイドルになりたい姉
父のカウボーイ魂を受け継ぐ弟
そして発明家スピヴェット。
田舎で暮らす彼にとってその町は小さく、そして自分の居場所はないと感じてしまう。
彼は父のフリをして自分の発明をワシントンへ送り、1本の電話を頼りに1人冒険の旅に出る。
ヒッチハイクやホットドッグのお姉さん
お爺さんの杉の木の話。
旅の先々で空想の弟と巡り合う。
ワシントンに着いて天才だと崇められ讃えられるものの、それに喜びを感じるのは一時のこと。
結局は世界に認められても、
たった1人の存在には勝てない。
父に、家族に認められたいのだ。
彼は気付く。
自分では無く、
自分の論理が人々を呼んでいるのだと。
人々は映画を観るように自分を見ている。
旅に出る時、お父さんの車が止まらず前を横切った様に、 少しのすれ違いが大きな溝になっていく。
人間は言葉が使えるのだから。
大切なひとこそ、傷つけるの承知で会話しなければならないと再認識させられる。
「水滴が素晴らしいのは、一番抵抗の少ない道を通るからだ。」
素敵なセリフでした。
また改めて観たい映画です。
しかし、やはりストーリーの意向が広告から取れないので、それが狙いでないのなら少し勿体無い気がする。