別に内田裕也の音楽のファンでもないし、彼の生き方に対して共感することも全くない(むしろ苦手な方であった)のだが、彼が映画というフォーマットに乗っかった瞬間に何故だか興味をそそられる存在へと変貌する。それはロックンロールを生き様で体現してきた彼の、剥き出しの悲哀を感じるからなのだろう。
風呂の水の中でパンを食ったり、電話線を絡めて行為をしたり、見知らぬ通行人を片っ端から殴りまくったり、これを思いつく監督も狂ってるとしか思えない。
ジョンとヨーコが抱擁する写真を何度か挟み込むことによる内田裕也自身との差別化も良い。
神代作品としても、3本の指に入る傑作。
Pizzicato Fiveの小西康陽もフェイバリットに挙げている1本である。