うにたべたい

メタボ戦隊アホレンジャーのうにたべたいのレビュー・感想・評価

メタボ戦隊アホレンジャー(2007年製作の映画)
4.2
ムカデ人間シリーズや兵器人間等、個性的な映画を国内に紹介する映画配給会社トランスフォーマー。
本作もそんなトランスフォーマーが提供する作品です。

トランスフォーマーと言えば私的にはセンスの良い洋画ポスターをダサいインパクト重視のクソデザインに魔改造する、映画の内容そっちのけでポスターとキャッチコピーでやりたい放題する配給会社の印象があります。
映画好きにはおなじみなところで、ホラー映画"生贄少女"のポスターに『ンボボボボオォ』って書いたり、原題:Baskinのタイトルを"ヘルケバブ ~悪魔の肉肉パーティー~"にした上、『野菜のつぎ、おまえ!』というわけのわからないセリフを載っけたりするアレがトランスフォーマーです。
あと、『退院したい!退院したぁぁぁぁい!!』で有名な"戦慄病棟"もトランスフォーマーですね。
しかも"戦慄病棟"は内容、病院関係ないという。
本作もそんなトランスフォーマーのビジュアル改変にやられた一作です。

アメリカ発信でやがて全世界で大ヒットしたTVシリーズ"Junior Defenders(JD)"。
特殊能力をもった4人の子どもたちが悪と戦う作品で、このドラマに世界中の人々がテレビに釘付けになった。
だが、流行れば廃るもので、やがて人気が低迷して作品は打ち切りになる。
元大人気子役たちは、仕事を失い、1人は犯罪に手を染め、1人はカルトを立ち上げ、また1人はアダルト男優となった。
そんなある日、JDの熱狂的なファンが、テレビ取材を受けていた元JDの1人の元に現れ、テレビクルーごと誘拐してしまう。
イカれたファンは、JDを蘇らせるため、脚本を書き、JDの続編を撮影するため、元JDの子役たちを誘拐するアメリカ横断の旅を始めるという展開です。

JDは4人の能力者が登場する特撮ドラマでしたが、アホではなく、また、メタボでもありません。
完全にタイトルと内容が乖離していて、トランスフォーマーにやられた気がしました。
強いてメタボだと言えるのはブルーのみで、パープルなんかはむしろ痩せ型でした。
メタボなヒーローがアホな活躍するコメディのようなビジュアルになっていますが、実際はドキュメンタリー形式のロードムービーです。
くすりとする演出はありますが、まるっきり荒唐無稽なギャグ映画ではないのでご注意を。
ただ、JD打ち切り決定時には、熱狂的なファンが火炎瓶投げてたり、大勢で機動隊とぶつかったりする映像が流れるのですが、暴動起きちゃうくらい人気の番組をいきなり打ち切っちゃったの!?となりました。
こういう過多な演出が度々あって、そういうところはアホっぽいと思いましたね。

全然アホ映画でもB級でもなく、個人的には低評価がついているのが不思議なくらい面白かったです。
めちゃくちゃな展開で、ご都合主義的なところも感じますが、ラストは世界中が一体になる大団円で収束する、素晴らしい作品でした。