チッコーネ

FULL METAL 極道のチッコーネのレビュー・感想・評価

FULL METAL 極道(1997年製作の映画)
3.0
ロボコップかサイバーパンクのパロディといった趣で、コメディ演出も多めと、敢えて企画ものにとどまる作品。
マシン造形も美学にまで高められてはいないが、代わりに並走するヤクザ映画演出は思い切りがよく、人体スッパリや黒澤映画並みに吹き出す血飛沫は爽快…、制裁の意味合いが強い性拷問場面においても、一歩踏み込んだ撮影を見せる(剃毛済みの股間をギリギリのラインで覆うラバーに、こだわりを感じた)。
さほど美形でもないのになぜかカメラ映えは抜群なうじきつよしを筆頭に、田口トモロヲからシーザージムの武志代表まで出てくるが、この人なんてうまいのと唸ったのは港雄一で、言動のすべてが的確かつ自然。
しかし彼が主人公の背中の入れ墨に、かつての敵を見る場面の演出が、心なしかしっとりしているように観えたのは私の穿ち?