ちゃんしん

誘拐の掟のちゃんしんのネタバレレビュー・内容・結末

誘拐の掟(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

リーアムニーソンさんがハマり過ぎ!

こういう物語にこの役者さん、リーアムニーソンさんは本当に良い演技をしてくれる…。
犯人への手掛かりをひとつずつ手にしていく話の展開と洗練された映像と音楽。とても渋いリーアムニーソンさんの演技…。
ミステリー小説を作り手のわがままを抑えて出来るだけ淡々と仕上げていったという感じになっていて、逆に観る側が頭の中で考えながら観れる良い作品になっているという印象。

その中でも、誰しもが持つ人間本来の性癖による悪に気付かされ、抜け出したい、または抜け出さなければいけないと理解しながらも実行出来ない人間の弱さや常習性、継続性に納得させられ、その怖さを知ることになる…。

金に執着する知能的な犯人、金には無頓着だが人間の身体を切り刻むことに快感を覚える仲間、不幸を作り出す麻薬組織で大金を稼ぐ被害者の夫、その夫の子孫を作り出す被害者の妻や子供、麻薬がやめられない情報提供者、アルコール依存性から抜けられない主人公マット…。

誰もが自分の行いから抜け出さない、またはのめり込む恐怖がマットと共に伝わってくる。
マットは自分が小さな命を奪ったことから、人の命を奪うことから抜け出したいと思っているが、事件解決に向けて人を死に追いやる罪を犯す自分から抜けられずにまた闇の奥に入っていく感覚を覚えてしまうが…。
純粋な心と目を持つTJの書いた絵に救われる…。

人間の欲と常習性と意識しない継続性の恐怖が伝わるとても面白い作品。
ちゃんしん

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