フジタジュンコ

バルフィ!人生に唄えばのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

バルフィ!人生に唄えば(2012年製作の映画)
3.2
冒頭の「映画が始まるよ」の歌が楽しい。日本の劇場でも映画泥棒のかわりにこの歌流してくれないかな…

耳が聞こえず、話すこともできず、身振り手振りと表情で語るバルフィと、彼に恋をするふたりのヒロイン、シュルティとジルミル。このふたりが美しすぎる。とくにシュルティことイリヤーナー・デクルーズさんの美しさには目がつぶれそう…

シュルティはバルフィへの思いを断ち切れないまま自分を思いやってくれない男と生活のため結婚し、自閉症のジルミルは思いのままバルフィにぶつかるという三角関係を描いており、ふたりが添い遂げたその最後をシュルティが見届けるという、切なさに涙しそうになったその瞬間、「あれ?いやでもジルミルは膨大な遺産を相続してるよな? 遺産がなければ生活力ゼロの2人だよな? これをいい話っていうには無理があるよな?」と気づいてしまいました。ラブストーリーで泣くにはもうすっかり汚れきっているようです……

歌って踊らないインド映画ですが、情感がしっかり伝わり、「雨に唄えば」や「Mrビーン」などのオマージュも楽しく、劇伴も映像も素敵でした。