Eike

それでも恋するバルセロナのEikeのレビュー・感想・評価

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)
3.6
スペイン、バルセロナを訪れたヴィッキー(レベッカ・ホール)とクリスチーナ(スカーレット・ヨハンソン)。
そこでいかにも訳ありなアーティスト、ファン・アントニオ(ハビエル・バーデム)から誘惑を受けます。
二人の性格の異なる女性たちは次第にミステリアスな彼に惹かれてゆくのですがそこにアントニオの別れた妻マリア・エレーナ(ペネロペ・クルズ)が現れて・・・。

おいおい、これじゃまるで女性誌の「読者投稿体験記」か「レディスコミック」じゃないか。
その通り。いうなればスペインでのひと夏のバカンスを巡る二人の女性の性的冒険がテーマなのだ。

しかし流石はW・アレン。
只の下世話なお話も見事にソフィスティケートさせていて人間喜劇として気軽に楽しめる作品になっております。
SEXは常にW・アレンの中心テーマの一つではありましたが老いて尚盛んなところが彼らしくて微笑ましい。
ただし本作の場合、ヴィッキーとクリスチーナの二人の物語だけで終始していたなら本当にどうってことないお話で終わっていたかも。
そこに強烈なスパイスとなるのが本作でオスカー受賞のペネロペ・クルズ。
彼女のオリーブ色の肌、濡れたような黒髪そして謎めいた瞳が画面に登場した瞬間から強烈な引力で観客の目をくぎ付けに。
スカーレット嬢の若さと美貌も彼女の前ではちょっと分が悪い。
実はぺネロぺ嬢の登場シーンはそれほど多くないのだが強烈なオーラで場をさらってしまいます。
彼女の存在感が本作の成功を決定したと言っても過言ではないでしょう。
ハビエル・バーデムの色男ぶりとヘタレぶりもほほ笑ましく「おしゃれな艶笑談」として楽しめます。

さて舞台はタイトルにも入っているバルセロナ。
なぜ本作の舞台に選ばれたかと言うとズバリ誘致活動の結果ということらしいです。
バルセロナでの撮影費用は全額バルセロナ市が負担したそうでその額は200万ユーロ超(当時の金額で2億5千万円以上)。
太っ腹ですね。
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