もものけ

トラッシュ・ファイアのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

トラッシュ・ファイア(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

性格の悪い親が育てる子供は、やはり性格が悪い影響を受けるのかねぇ〜……。

皮肉ばかりで、人間関係を悪くするオーウェンに、3年同棲する恋人イザベルも呆れ顔。
別れようとしても、ほっとけずにズルズルと関係を続けてしまう。
しかし、イザベルの心境の変化から、オーウェンは疎遠だった家族の共に会いに行き、自分を変えやり直そうと決心するのだった…。


感想。
カメラワークの良さと、カット割りが個人的に好みで、役者もなかなか良く、ドロドロした具合の悪くなるような意地の悪い会話が続く拷問サイコサスペンスムービーでしたが、結構面白かったです。

宗教観や、劣等遺伝的なテーマなのでしょうか。
敬虔なキリスト教信者や司祭の病的な人間欲を描いていて、宗教の怖さなんかもテーマとなっているのでしょうか。
とにかく、なかなかエンディングまで具合悪くなるストーリーてんこ盛りです。

アメリカのキリスト教宗教番組が描写されるのですが、無宗教の私が感じるのは、なぜあれほどまでに恐ろしい口ぶりで、終末の訪れの恐怖を煽り、人間全てが追った罪の堕落を批判して、信者へメッセージとして放送しているのでしょうか。
その傍ら、神父が児童虐待、性犯罪を侵し、信徒は異端を差別して悪魔として殺すことを正義とします。
私には理解ができません。
祖母が、訪れた孫と恋人を悪魔に見立てて、神の使徒である自分が成敗するという夢を見るシーンがあり、神の名の元になら「汝殺すなかれ」は無視してもいいのでしょうか?
宗教観の難しさを考えてしまうシーンでした。

前半、恋人の兄や友達に皮肉たっぷりと絡み、ダメダメな彼氏を見せられるのですが、後半で祖母の家に行ってから今度は意地の悪さ全開の祖母との対比で、彼氏がマトモに見えてくるという視点がなかなか面白いです。

やっと二人は心から愛し合えると思った矢先に、妹に兄はショットガンで撃ち殺される皮肉が、血は抗えないというのか、妹が悪魔で、それを母親の世代から気がついて祖母が断ち切ろうと火をつけたのか、どちらにも解釈できるようなオチに、なかなか具合が悪くなりつつも面白かったので、3点を付けさせていただきました!

登場人物みんな、気がふれてる。
オカルトサスペンスとして、なかなか良かったです!
もものけ

もものけ