ナツミオ

フューリーのナツミオのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
3.7
WOWOW on demand鑑賞

 ”リアリティ”

公開時、劇場鑑賞、その後数回WOWOWで鑑賞。
未レビュー、再鑑賞・再投稿。
以前にイイね!頂いた皆さんありがとうございます。

第2次世界大戦末期、必死の徹底抗戦を繰り広げるドイツ軍に自慢の戦車を駆って立ち向かう5人の米軍兵士たちの壮絶な死闘を、ブラッド・ピットの主演で鮮烈に描いた戦争映画。

受賞
・ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2014年)
作品賞トップ10
アンサンブル演技賞
・第38回日本アカデミー賞 優秀外国映画賞

原題 『Fury』

2014年米・英作品135分
監督・製作・脚本 デヴィッド・エイヤー
製作総指揮 ブラッド・ピットほか
製作 ビル・ブロック イーサン・スミス 
ジョン・レッシャー
撮影 ローマン・ヴァシャノフ
音楽 スティーヴン・プライス
出演 ブラッド・ピット シャイア・ラブーフ ローガン・ラーマン マイケル・ペーニャ ジョン・バーンサル ジェイソン・アイザックス スコット・イーストウッド 

(WOWOW番組内容より)
1945年4月、敗色の濃いドイツ軍が最後の徹底抗戦を繰り広げていたヨーロッパ戦線。“フューリー(=激しい怒り)”と名付けられた戦車を駆ってドイツ国内を侵攻中の、コリアー”ウォーダディー“軍曹(ピット)率いる連合軍の戦車部隊に、新兵のノーマン(ラーマン)が配属されてくる。戦闘経験ゼロのノーマンは、戦場の悲惨な現実を目の当たりにしつつ、次第に一人前の兵士に育っていく。やがて彼らは、たった5人で敵の精鋭部隊300人に立ち向かう運命と相成り…。

(WOWOW解説より)
俳優、そして映画製作者として「ツリー・オブ・ライフ」「それでも夜は明ける」など、数々の作品を世に送り出し、名実ともに映画界のトップに君臨するピット。
元軍人という異色の経歴を持つデヴィッド・エイヤー監督の脚本に惚れ込んだ彼が、主演のみならず共同の製作総指揮も買って出て本作の企画が実現。
第2次世界大戦末期、たった5人でドイツの大軍を迎え撃つはめとなった米軍兵士たちの想像を絶する壮絶な戦いを悲痛なタッチで描き、観る者の胸を熱く焦がす重厚な一作に仕上がった。共演はシャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン。

何回も観ているお気に入り作品だからこそ、段々とモヤモヤ感が増していく…

単純に…
「戦車アクション」として観たら、本物がゾロゾロと出てくるので、そういう見方だとすごく楽しめる。
ましてや、独軍戦車、タイガーI型は動くモノは世界中でこれ一台という超希少な車両。

「人間ドラマ」として観ると、
新兵ノーマン(ラーマン)と“フューリー号“の長、ウォーダディー(ピット)や他のクルーたちとの絆、連帯感、フューリー号を家とした、(非常に特殊な状況でもあるが)家族ドラマなのかもしれない。

「反戦映画」として観ると、そういう捉え方は出来なくはないが、少し違う気がする。
少年少女も兵士として駆り出される戦争末期の実態。
従軍を拒み市街に吊るされる少年。
ノーマンとエマのエピソード。

監督が描きたかったのは、
過去の戦争映画で描かれたモノではなく、
まさに「ドキュメンタリー」映画から感じた戦争の過酷さ、悲惨さ、虚しさ、兵士たちが生き残るために犯した罪も含めた戦争の実態なのかもしれない。


↓ 以下ネタバレあり


【モヤモヤ感のポイント】
戦争末期、舞台の1945年4月は、ドイツが無条件降伏する1ヶ月前。
ソ連含めた連合国軍は、東にソ連、西に米英がドイツ国内に侵攻し、ドイツ軍は崩壊し敗走を続け敗戦は目に見えている状況。

・その時にナチス親衛隊の精鋭部隊が現れる不思議⁇

・完全に連合軍側が制空権を握った段階で、日中呑気に歌を歌いながら行軍するナチス親衛隊⁇

・物量も圧倒的に優位な米軍なのに援軍のないウォーダディーたちフューリー号⁇

・航空支援も全く無い⁇

・戦争末期まで生き残っていたドイツのタイガーI型重戦車⁇
末期に登場したタイガーIIが登場する方が現実的だが、動く車両が無い。

・ほぼ終盤、ただ一人だけ生き残ったノーマンがフューリー下の窪地に身を潜める中、若いナチス親衛隊兵士にライトを浴びせられ見つけられたのに、見逃されたのは何故か⁇




キャスト
・ドン・“ウォーダディー”コリアー
Don Collier 'Wardaddy'
- ブラッド・ピット

・ボイド・“バイブル”スワン
Boyd Swan 'Bible'
- シャイア・ラブーフ

・ノーマン・“マシン”エリソン
Norman Ellison
- ローガン・ラーマン

・トリニ・“ゴルド”ガルシア
Trini Garcia 'Gordo'
- マイケル・ペーニャ

・グレイディ・“クーンアス”トラビス
Grady Travis 'Coon-Ass'
- ジョン・バーンサル

・“オールドマン”・ワゴナー大尉
Captain Waggoner
- ジェイソン・アイザックス

・デイヴィス軍曹
- ブラッド・ヘンケ

・ビンカウスキ軍曹
- ジム・パラック

・パーカー中尉 Lt. Parker
- ゼイヴィア・サミュエル

・マイルス軍曹 Sergeant Miles
- スコット・イーストウッド

・ピーターソン軍曹 Sergeant Peterson
- ケヴィン・ヴァンス

・イルマ Irma
- アナマリア・マリンカ

・エマ Emma
- アリシア・フォン・リットベルク

・ドイツの伍長
- ブランコ・トモヴィッチ

・フォスター
- イアン・ギャレット

・ヒルダ・マイヤー
- ユージニア・カズミナ

・エディス
- ステラ・ストッカー

【デヴィッド・エアー監督 オフィシャルインタビュー】
Astage-アステージ- | CINEMA |
https://www.astage-ent.com/cinema/fury-dv.html

監督インタビューより抜粋
― なぜ今この作品を製作しようと思ったのか
「人間というものは最悪な状況に置かれても生き延びることが出来る、という事を見せたかった。この映画で戦争の惨たらしさについて取り組みたかった。惨たらしい状況のなかでさえ見いだせる人間性に目を向けたかった。映画などで第二次世界大戦を描く場合、神格化されたり美化されたり、または白黒はっきり1面的に描かれがちだ。戦場にいる兵士にとって戦争はそんなに単純ではないと思う。寒さ、疲労、空腹といった辛さは全ての兵士が直面する共通の現実だ」
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