ササキ・タカシ

思春期ごっこのササキ・タカシのレビュー・感想・評価

思春期ごっこ(2014年製作の映画)
2.0
女子中学生がヤマもオチも意味もなくイチャイチャしてるだけの深夜アニメみたいなお気楽なノリを想像していたら実にストレートな青春百合グラフィティで後半どんどん話がシリアスになっていくしオジさんドキドキしながら見ちゃったよ。

親友の肖像を描き続ける少女と、童話小説家を目指しているその親友。そして、今はもう小説を書かなくなった図書館司書の女性。不意に生まれた三角関係は、やがて一つの季節を終わりへと導き、新しい季節の始まりを生む。放課後の美術室、光がさす廊下、町外れの大きな図書館、深夜のプール。淡い記憶を絵におこすかのように、思春期の代名詞たる記号的風景が柔らかいフォーカスで映しだされる。ヒロイン2人の関係性が壊れる動機付けが弱い気がしたけど、まあ現実的には心が離れていくきっかけなんてそんなもんなのかなあ。タイトルの「ごっこ」とは一体何を意味しているのだろうか。2人の少女の憧れや恋心が、後から思い返すと所詮「ごっこ遊び」でしかなかったということなのだろうか。

実写版『マリア様がみてる』や『放課後ロスト』などに出演し若手百合女優の代表とも言える存在に一直線な状態の未来穂香が、上手い。田舎の女子中学生のナチュラルな芝居とは言い難いが、役の実在性を感じさせる明瞭な演技をしていて感心する。ちょい役の同級生たちも美しい。おはガールりさこは、それで中学生はさすがにちょっと無理があるんじゃという女性的な肉体をスクール水着で披露。夢みるアドレセンスの荻野可憐(a.k.a.てさぐれのあおい先輩)は、ほとんど顔が写ってないにも関わらず姦しい声だけでその存在感を発揮。あと、おはガールメープルのしおりが眼鏡でおさげの文学少女をやってるんですよ! 眼鏡でおさげ、最高! 素晴らしい青春!(彼女がおはガールしおりだなんてパンフレット見るまで気づかなかったけど)
ササキ・タカシ

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