theocats

マフィアは夏にしか殺らないのtheocatsのレビュー・感想・評価

3.5
シチリアマフィアの残虐さを軽妙に描写

シリアスなドキュメンタリタッチかと思いきや軽妙なコメディ仕立て。
しかし、1970年代シチリアはマフィア横暴が常態化し、少しでも敵対する人間はマイファどころか公権側や判事・議員など手当たり次第に殺害。
映画もコミカルな展開の合間合間に当時の映像も交え、それとなく残虐非道っぷりは伝わっては来る。しかし、重苦しさや沈痛さは皆無だけれど。

少年少女の幼い恋の芽生えから、大人になった後のロマンス成就がメインストーリーとなり、そこに上のマフィア史実を絡めるという何とも珍しい構成。

映画としてのユニークさは感じられ、シチリアのネガ史実も認識できたという点では製作陣の狙いは果たされたと言えるのかもしれない。
個人的には目を背けたくなるようなリアル描写に徹底してもらいたいという気持ちがないわけではないが、本作品の様な見せ方もあるのだと肯定評価。

3.5の三ツ星
002104
theocats

theocats