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ある優しき殺人者の記録のP銀のネタバレレビュー・内容・結末

ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

田代「暴力はダメですって!」
工藤「海外だよ海外行きゃ売れるんだよー!」
とコワすぎ!で言っていた事が図らずも、「海外からの企画でバイオレンスホラーを撮る」という形になった本作。韓国での評価はどうなんだろう。

バイオレンスコズミックホラーとでも言えばいいんですかね。
正気か狂気かわからない連続殺人犯パク・サンジュンへのインタビュー。フラフラする独特の緊張感。縦読みとか笑うしかないんだけど当人は真剣。
アウトサイダー夫婦。絶対に肩入れしたくないタイプなんだけど、殺人鬼に脅されてる状況だと善悪と分離された所で揺さぶられる。
殺人犯を信じるか常識に照らすべきか、こちらも選択を迫られる。そして立ち現れる人智の及ばぬ運命と護られた価値。

惨劇を起こした世界はあそこまでで滅び、子供サンジュンが「撮影をしてなかった世界」に接木されたと解釈しました。
旧き神の意思は、人の身では計り知れない……。

元々第四の壁への語りかけはあるが、それを越えて「見届け役」を任されてしまう視聴者。『映画にして残す』事にした結果、『第4の壁を越えたこちら側にだけ遺った主人公の想い』があまりにも切なく、「俺たちは覚えてるぞ……」と言いたくなる。
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