TaroYamada

いつかの、玄関たちと、のTaroYamadaのレビュー・感想・評価

いつかの、玄関たちと、(2014年製作の映画)
2.5
物凄く荒削りでラフな作品、時制が前に後ろにボンボン飛び、省略もとても多く、かなり振り回される

作品の肝となる主人公あやめと姉すみれの関係性の説明をあやふやにする事で話を進ませるが、それは家族関係を考えたらあり得ないと思うし、また姉の過去の行状を考えれば妹すみれが姉の存在を知らないまま成長するのは考えにくい、しかしながらそれでないと話は進まないので無理がある

いい加減な作りだなと思う反面、決して悪くないと思う面もある
主人公あやめの表情、今しかない輝ける時期がちゃんと切り取られているし、姉すみれと娘茉祐子の行き場のない卑屈さがよく描けている、失意の中帰郷する気持ちは如何許りかと気持ちが入ってしまう程、ある意味主役の藤江さんを食っていた

しかしながら前述した通り、本作はかなりラフな仕上がりなので観る側が物語の欠けた部分、見えない部分を脳内補完して見なければならず、それが受け入れられない方には厳しい作品かも知れない