書庫番

天空の蜂の書庫番のレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
2.0
2,015年8月2日 松竹試写室にて鑑賞。

東野圭吾原作は未読。
20年前に原発テロをテーマに描いた小説の映画化は「社会派作品」と「エンタメ作品」の加減が良い塩梅の仕上りです。
本作に於けるもう一つの主人公とも言える、軍用巨大輸送ヘリ「ビッグB」の映像にも迫力があり、一定水準の集客は見込めそうな気がしました。

とは言え其処はそれ、監督が堤幸彦なので(笑)本作に於いても見せ場作りの為ならその後の展開に支障を来たそうが強引に持ち込んで行くのですが、そこまで御膳立てしてもらった後半の見せ場が如何せん盛り上がりません。(笑)
もっと言うなら全く要りません。(キーワードは車と銃)
そんなチープだったりチグハグだったりする演出に、今作が映画デビューの脚本家が繰り出す説明台詞の嵐が重なってもうお腹いっぱい。(笑)

さて本作に於けるテーマとしての原発の扱いや受け止め方について気になる方もいらっしゃるでしょう。
その点はクレバーで、観客の考え方に委ねる形を取っています。
原発推進派と反原発派が共に滑稽なまでにステレオタイプで描かれているのも、観客に一歩引いた視線と中立的な立場でこのテーマを考えさせようとする為の一手でしょう。

豪華キャストに拘るのもこの手のエンタメ大作には必要ですが、正直必要無いと思えるキャスティングという印象が強いです。
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