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シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧のtubameのレビュー・感想・評価

2.9
平成15年の公演をシネマ歌舞伎化。


金に目がない棺桶屋がひょんなことから義賊・鼠小僧を演じることになって...という物語。
主人公を勘九郎(故・十八世勘三郎)が演じ、現代演劇の第一人者・野田秀樹が演出した作品だ。
勘三郎さんが亡くなってから出演作を観たのは初めてだったが、畳み掛けるようなギャグの応酬と圧倒的エンターテイナーぶりが懐かしかった。
前半にたっぷり笑わせて観客を引き付け、後半は世の不条理を感じさせるような切ない展開で情に訴える構成も巧みで卒がないし、会場の大爆笑もご当人在りし日のことを思い出させた。

個人的にはあまり合わなかったんだけど、勘三郎さんの舞台は毎回観客をも巻き込む劇場の一体感が凄くて本当稀有な存在だったなとしみじみ思った。
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