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彼方からの手紙のyzのレビュー・感想・評価

彼方からの手紙(2008年製作の映画)
4.8
2023.5.15 4.5点から4.8点に更新。
5.15感想
私の偏愛映画の中でも特に好きかもしれん。初見時に何が分からなかったのかが分からない。濱口さんの『passion』と瀬田さんのこれが観れるだけであのDVDを所有することに価値がありすぎ。初見からの数ヶ月の間に色々な作品を観て気づいたけど、瀬田さんがゴダールはじめヌーヴェルヴァーグっぽいところがあると言われてる意味がわかった。ソニマージュ、街での役者とカメラの躍動という点。またTwitterで見た抽象空間で親に会うサブジャンルってやつの先駆けじゃんと思った。
車窓から見える街にあるものを声に出すポエジーがめっちゃ良い。後の作品にも繋がる町の記憶である。呑みながら観たので酔ってあのシーンで一緒に踊った。気持ち良い。




初見時感想
よく分からない部分は確かにあるけど凄いモノを見たと、これは好きだと思わされた。
全然ハマらなかった『PARKS』は多分この作品の翻案だけどこっちは好きです。

前半の寄り道から(ここで描かれる各シーンが凄く良い)目的地に着いた後半は一気にマジカルな世界観へ移行。
その後の「別に何も変わらなかったと思う。私も世界も変わらなかった。」
という台詞の正しさと鋭さ。彼からの手紙の言葉も素晴らしかった。

(SUN/星野源のMVみたいな)部屋での最高のダンスシーンしばらく頭に残り続ける予感。
「僕たちはいつか終わるから踊る いま」
楽曲自体も凄くて繰り返し聴いてしまう。
序盤の車窓風景や終盤の手紙あたりのポエジーな台詞・発声があまりにも良い。

タネが分かった後のあの階段はカットの巧みさとストーリー的な感動にやられる。
瀬田なつき×佐々木靖之は映像的に凄すぎる。
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