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野火のdokkyのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.0
「極限で、私はどう振るまうだろう。」

まもなく終戦の日、ということで。本を読んだことがあり、たしかこんなストーリーだったよなあ、映像で観てみたいかも、と思い観始めたら、全然違う映画で、「あれ?」と思ったら、私が思ってたの「ビルマの竪琴」でした。勘違いしてた。
でも、「野火」も本を読んだことがあり、あらすじを振り返ると、戦場で人肉を食べるか否か···の話でした。
訳あってお盆休みを自宅で過ごすこととなり、精神状態を保とうと思い、穏やかな気持ちになれそうな戦争映画「ビルマの竪琴」を観るはずが···余計に感情がぐちゃぐちゃ。

主人公のモデルは、作者の大岡昇平本人だろう。もともと軍人を志していたわけではなく、今でいうエリートサラリーマンだったのに、招集で戦地へ。最初、なんて戦争に向いてない兵士だろう、と
思ったけど、そりゃそうだ。
略奪、騙し合い、虐殺に近い殺人、恨み合いなど、正気か?という人間模様が出てきて、いくら戦中とはいえこれはないだろう、私は絶対しない、と、平和な日本の涼しいリビングでコーヒー飲みながらだとそう思うけど、極限の飢餓、脱水、体調不良、怪我、灼熱のなか、私はどこまで正気を保てるのか。どんな心理でどんな言葉を発するのか···
分からんなあ。想像もつかん。
でも、絶対絶対なのは、戦争はいかん、殺し合うのはいかんということ。
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