地底獣国

第三世代の地底獣国のレビュー・感想・評価

第三世代(1979年製作の映画)
3.5
意志と表象としての世界

理想も思想も失くして行動主義に憑かれ、企業や国家権力の手先になってることに気づいていない第三世代テロリストたちのお話。実際にはドイツ赤軍は東独の支援を受けて活動を続けていたので話自体はファスビンダーが考えたifの世界なわけだが。

ストーリー自体はそんなにややこしくは無いんだが、とにかく情報量が多くてお手上げ。学校の授業での質疑、ラジオやテレビ、ビデオから流れてくる声の洪水が演者のセリフと混じって何が何やら。ドイツ語ネイティブの人には判断できるんだろうか?学生の時もっと真面目にドイツ語勉強しとくんだったと今更後悔。

そういうとこは抜きにして、何かを成し遂げたいという気持ちばかり奔るテログループメンバー、我が身の事しか考えてないリーダーと、彼を雇い入れ利用する企業家たちのドタバタ劇として見るだけでも面白い物にはなっている。ここではテロが多発すれば自社のコンピュータを警察や関係省庁に売り込むチャンスが生まれる、と皮算用する企業家が「犯罪による支配」を目指しているようにも見えたが考えすぎか。

おまけ:どうでもいいけど章のタイトルになってる便所のラクガキって実在したものなのか気になる。
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