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ケリーアンドキャル(原題)のGreenTのレビュー・感想・評価

2.0
これはどんな映画だが一言で表せない・・・・

ケリー(ジュリエット・ルイス)は閑静な住宅街に住む、育児疲れしたママ。6週間の乳幼児ジャクソンは、カンが強くて泣き止まない。夫のジョシュの方は仕事で忙しく、ケリーの検診でもうセックスしても大丈夫だと言われても、あまり乗り気ではない。

夫妻がこの住宅街に引っ越してきたのは、子供ができるからだったのか、ジョシュの両親の家に近いところで、なにかと言うと家族の集まりもケリーのストレスになっている。

新しい土地で友達もなく、泣き止まない子供と家に残されたケリーは、隠れてタバコを吸うようになるのだが、家の裏でタバコを吸っていると、隣人の息子、「あなたのおっぱいは素晴らしい」なんて言う、17歳のカルに出逢う。「失礼ね!うちの周りに来ないで!」と一喝するが、カルは車椅子に乗った障害者だと分かって罪悪感を感じるケリー。

ジュリエット・ルイスが新米ママ!って全然雰囲気に合わないし、トシ過ぎない?って思ったんですけど、この役は35歳から40歳くらいの役らしい。今はそのくらいで初産って珍しくないんだろうなあ。

で、近所でママ友作ろうと思っても全く溶け込めなくて、カルだけが心を許せるようになり、しょっちゅう逢うようになるんだけど、これが、ケリーは昔ガールズ・パンク・バンドをやってて、カルはそれをカッコいいと思い、ケリーはそれで楽しかった若い頃、「自分が自分だった頃」を想い出せるから魅かれ合っていく。

iMDb のレヴューでは意見が真っ二つに別れていて、「育児に疲れたママと障害を持ってひねくれてしまった若者の触れ合いなんて、今までないテーマ」「こういう女性の生態がリアル」とかって褒める人もいれば「ポップ・ミュージックを使ったはみ出し者を描いた定番映画」とかってけなす人もいて・・・・。

とは言ってもレヴューが12個しかないからそもそも観ている人があんまりいない(笑)

音楽、と言えば、ケリーがパンクバンドやってたから、彼女のバンドのオリジナル・ソングってのはなかなかカッコ良かったけど、他の80s、90sからのヒット曲やインディー曲が「音楽中心の映画でこれを選ぶかよ!」とは思った。

パンクバンドとかやってて反骨精神に溢れていた女の子が、結局は郊外の主婦になって、どーも馴染めない、こんなハズじゃなかった、旦那さんだって今は企業戦士みたいになっちゃったけど、元々はアート・クラスで知り合ったアーティストだった、みたいな、「人生に幻滅する」ってあると思うんだけど、それ感じるの今頃?ってか、子供産んでからは6週間しか経ってないかもしれないけど、結婚して相当経ってるでしょ?

で、カルの方も、イマイチ好きになれないキャラ。事故って半身不随になっちゃったのは気の毒なんだけど、事故った理由もアホっぽいし、両親がギターやドラムやいい車を買ってあげて、障害者じゃなかったらタダのわがままなボンボンって感じ。

この設定は、事故で色々失ってしまったせいでひねくれたからってことらしく、まあ17歳だったらこんなもんなのなんだろうけど、なんかなあ。

この2人に共感できれば面白い映画なのかも。
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