MasaichiYaguchi

風邪 ふうじゃのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

風邪 ふうじゃ(2013年製作の映画)
2.5
この映画は、世界に200種以上あると言われている全ての風邪ウイルスを撲滅できる特効薬「風邪ワクチン」を巡る壮絶な利権争いを描く。
この利権争いに関わる人物達は、小西真奈美さん演じる桜子は病に冒され闘病生活中の子を持つ母にしてスナックのママを務め、更に秘密の顔を持つという複雑なキャラクター、そして窪塚洋介さんは、世界を揺るがす大発明のワクチンの開発者でありながら今では流浪のアルバイト生活を送る天才科学者・紀久生を演じ、更にこのワクチンと紀久生を追う様々な人々、柄本明さん演じる医師・一ノ瀬、クリス・ペプラーさん演じる秘密組織の幹部・道元、和田哲史さん演じる道元の右腕・寺子田という面々。
彼らは「風邪ワクチン」の技術を手に入れようと、手段を選ばない争奪戦を繰り広げていく。
また本作には秋吉久美子さんが出演していたり、主題歌を八代亜紀さんが歌っていたり、「アキラ」、「スケバン刑事」等、数々の作品を手掛けてきた橋本以蔵さんが監督・脚本を担当していたりと、キャスト、スタッフ共に実力派の豪華ラインナップなのだが、いまいち盛り上がりに欠けてパッとしない。
「エボラ出血熱」、「テング熱」、そして全世界を巻き込んだ新型コロナウイルスが連日ニュースで騒がれているので、とてもタイムリーなのだが、映画で繰り広げられている内容や設定が現実離れしていて共感出来ない。
そして殆どの登場人物が腹に一物を抱えていて、作品に邪な風が吹き荒れている。
邪な風が吹き荒れた後に何か残れば良いのだが、あるのは徒労感と後味の悪さばかりだ。
日本も今春には一般の人達にも新型コロナウイルス対策の予防接種が始まるようだが、それによって新規感染者数が大幅に減少することを祈りたい。