クシーくん

ドクター・ストレンジのクシーくんのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画館で観た時はそのスケール、迫力に圧倒されたが、こういう作品をサブスクで観るのは間違いかもしれない。
マルチバースオブマッドネスを観るために再鑑賞。やはり映像表現に圧倒されたのは変わらない。
幽体離脱や瞬間移動で戦う普通じゃない、というかハッキリ言うと気持ち悪い戦い方がストレンジの魅力だ。こういう異形のヒーローがやっぱり刺さるんだなあ。手をクルクル回したり印を結ぶような仕草も観た少年少女が真似やすい感じも好感が持ててGOOD。元々ドクター・ストレンジというキャラクター自体はそんなに好きじゃなかったんだけど、本作の出来が良いからか、ベネディクト・カンバーバッチがハマったか私はすっかり本作でドクター・ストレンジが好きになってしまった。

MCUはとうとう本作をもって本格的に魔術と異次元という概念を持ち込み、ますます世界観を広げたことになる。観た当時はいよいよ魔術とマルチバースに手を出したか…と心配になったが、後作を見る限りではむしろ本作で魔術を出したことで開き直った感はある。これからもどんどん開き直ってキテレツな奴らをたくさん出して欲しいところである。

本作が他のMCU映画と決定的に異なる良い点は、単にヴィランをヒーローが倒して終わり、とはならない所にある。どうやっても倒せない超越的な存在に対して嫌がらせの無限ループで根負けさせる。かつてこんな解決を図るヒーローがいただろうか。本作はMCU劇場公開映画14作目ということだが、ここに及んでこの独創的な決着方法を考え出し、無理なく演出した剛腕振りに感嘆した。
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