ストーリーは知っている訳なので、Herは補完する形で観るのかなあなんて思ってたら、全然違った。
観た順番のせいもあるかもしれないけれど、やっぱりこっちのHerの方が共感しやすかったな。
そしてコナーになんでなの、って疑問を感じる部分もあった。
ところどころ2人の記憶が違っていて、それが男女差によるものなのかは分からないけれど、自分が感じたことだけが自分にとっての真実になり得るんだなあ、なんて思ったりしてちょっと寂しくなった。
コナーもエリナーも、とてもとても悲しい経験をしたのは同じなのに、悲しみの留まり方やそこからの再生はそれぞれ違っていて、共有できていないみたいだった。
そもそも始まりからして、Himでは2人のキラキラした頃から始まっているのに、Herでは衝撃的な場面から始まっていて、正反対なんだもんなあ。
でもやっぱり最後は勘違いじゃなくて良かった。
2人はすれ違ったのかもしれないけれど、速度が違うだけだったんだと思う。だから、こうやってまた。
この映画、昔観てたらきっとよく分からなかった。
相手への気持ちが消えた訳ではないはずなのに、一緒にいられないって今なら少し分かる気がする。大人になったな。
ジェシカ・チャスティンの足元が見えていないような不安定な雰囲気が、感傷的な気分にさせてくれて、考えさせられた。
映画の構造もとても新鮮だった。