クシーくん

ヒューマン・ハイウェイのクシーくんのレビュー・感想・評価

ヒューマン・ハイウェイ(1982年製作の映画)
3.0
登場人物全員不快系の怪作チープMV映画。米ソ冷戦真っ最中、著しく放射能汚染された廃棄処理場の近くにある、片田舎のダイナー&ガススタンドを舞台に繰り広げられるドタバタ劇。

終盤以外、大したプロットらしいプロットはほとんどなく、即興の話を繋げていったような作りで、なんか倫理観の壊れたセサミ・ストリートとか、全員狂人のハッチポッチステーションとか、そんな感じ。ニール・ヤングが自腹を切って作った反核ブラック・コメディという触れ込みだが、余り反核感はなく単なるアシッドトリップムービーの趣。

後半ニール・ヤングが妄想ツアーに出かけるシークエンスはシュールさも含めてクスリキメながら作ってる感が半端ない。それでいて素人臭さの残る、なんともむず痒い映像の連続。

気前よく金を撒いてキャストを集めたのか、それとも比較的仲の良い俳優が集まってきてくれたのか、ラス・タンブリンやデニス・ホッパーと微妙に豪華。当時ホッパーは完全に薬物中毒に陥っていて、指の間にペンを素早く突き立てていく例の遊びを本物の刃物でやったらしく、止めようとした共演者を怪我させて訴えられている。共演者までアレかよ。

ニール・ヤングやDEVOが好きなら観てもいいけど、正直そんなに観なくてもいいかも…と思ってしまった一本でした。
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