アズマロルヴァケル

コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.5
前作を踏襲しつつ、意外とポップだったスピンオフ映画

・感想

映画は多分ですが、ケヴィン・スミスのホラー映画『Mr.タスク』の出来事からタイムラグが暫く経っていないと思われ、舞台はウォレスが取材で行った際に旅立ったカナダを中心に物語が始まっている。映画のキャストは『Mr.タスク』でちょい役だったリリー=ローズ・デップ、ハーレイ・クイン・スミスをはじめ、『Mr.タスク』では私立探偵役でカメオ出演(実際にはかなりの主要人物だった)のジョニー・デップ、更には『Mr.タスク』では主人公のウォレス役だったジャスティン・ロングがタブルコリーンにヨガを教える講師役として続投しており、『Mr.タスク』を観ててご存知の人からそうでない人まで楽しめる内容になっていました。

映画全体はつくりとしては、ダブルコーリンがミニナチと戦闘する前にヨガポーズをしたりするので、なんとなくですが、平成の特撮番組に通じるようなポップな演出であり、ミニナチの戦闘中はアメコミ漫画のような吹き出しを出して表現していて普通に見やすいです。

ただ、ざっと見るとダブルコーリンの他に私立探偵のギー・ラポンソワが結構出ているのでジョニデ親子の共演が色濃く目立っており、ダブルコーリンの歌唱シーンもふんだんと盛り込まれていたので若干主演ふたりのPVのような映画になっていました。

ですが、ダブルコーリンに負けじと悪役も負けておらず、後に後半に登場する科学者のアンドロニクス・アーケインがラスト手前で人気俳優の物真似をして分かりやすく自分の話をするシーンがかなりのツボでした。アル・パチーノをやったり、アーノルド・シュワルツネッガーをやったり、シルベスター・スタローンをやっていたのですが、途中でメリッサ・マッカーシーかなにかコミカルな言い回しをしている女優さんの物真似をしているシーンがあったのだが、そこだけ謎過ぎてモヤモヤしました。

ラストにはアーケインがホッケー・ゴーレムという『彫刻作品』を発表するのだが、造形が前回の『Mr.タスク』のセイウチ人間を彷彿とさせる作品であり、懐かしくなって『Mr.タスク』をDVDで買うか、また旧作でレンタルさせられそうになりました。

『Mr.タスク』は2年ぐらい前に観たので記憶が曖昧ですが、私個人の見解としては私立探偵ギー・ラポンソワの見せ場が多かったので比較的にこの映画の方が好感が持てました。少なくともこの映画を観てから『Mr.タスク』を観てもなかなか楽しめる作品かも。

ちなみにラストは『Mr.タスク』同様にエンドロールでポッドキャストの音声が流れるところはちゃんとシリーズものとして『お約束』を守っていて安心しました。