北斗星

セッションの北斗星のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.2

確か2015年と、今年の冬に観た。


まあ、端的に言うとモラハラパワハラ、人格破綻者の教授に一生徒が心身を追い詰められ、しごかれまくる…のような話です。

ただ、それだけの話なら、当時そんなに話題にならないわけで。



この教授の持ってる狂気を、マイルズ・テラー(生徒)も内包してたのでは?


そうじゃないと、せっかく前から気に入ってた彼女を突然フッてしまったり、交通事故を起こしたのにもかかわらず、病院に行かず発表会に出て、怪我でスティックが握れなくなり、血が指から滴りまくったり…。

かなり狂ってる。
彼も『普通』ではない。もしくは、なくなってしまっている。
(そこに感情移入してしまうワタシもキケンなのかな?)


ただ、根性だけじゃついていけない。
というか、途中でハッと我に返りバカらしくなって他の生徒のように大学を辞めたり、転学してくでしょう。

けれど教授がパワハラで大学をクビになった後、彼の中身も空虚そのものに。




ラスト、テラーは軽々と師と同等に、いや師をも超えていく。



もうメソメソしていた彼とは違う。



彼の中に初めから萌芽していたものを教授が見事に咲かせたのだ。


人格破綻者は、凡夫にはわから
ない素晴らしい才能をテラーに授け、自身もそれを持ち合わせていたのかもしれない。
北斗星

北斗星