あおき

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのあおきのレビュー・感想・評価

4.0
ここ数年ずっと「アバターも続編やる噂あるらしいよ、めっちゃ未来の話だけど」などと言ってたら本当に公開されてしまった。実感の湧かないまま鑑賞!!

とにかく凄まじい映像体験だった…………水の動きがマジで現実を超えた現実すぎ。最早スパイダー君がCGで付け足されてんじゃねーかってレベル。マーベル作品のCGとか雑魚すぎて比にならん。最高!!!絶対3DとIMAXで観ような!!!!!

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映像は当然良いので、あとは内容について。

まず冒頭から本当にほぼ一切のおさらいをせずに凄いスピード感で展開するので予習は必須!正直予習済みでも困惑した。前作の冒頭は慎重で没入感が素晴らしかったけど、今回は「前作で魂掴まれてるから良いでしょ?」ってスタンスなのかな…。

そして脚本よりまず、キャラクター配置にかなりこだわってるな〜という印象を受けた。
トルーク・マクト的性質を持つロアク&ツァヒク的性質を持つキリの2人をダブル主人公として配置して、ロアクとパヤカンの間に「掟破りの除け者同士の絆」を、キリとスパイダーの間に「養子同志の絆」を持たせる。
ジェイクとクオリッチは「不器用な父親」という共通点/鏡像関係を与えられていて、父親としての厳格さや自由さの幅で対照の存在となっている。

こういう複雑関係は前作に無かったので良いじゃん〜と思った!同種間の軋轢と同種間の絆の表裏性がとにかくエモーショナル。特にロアクとパヤカンのタッグが可愛すぎるし可哀想すぎて、推せる〜〜〜!!!!!
けど、それぞれの関係は動機になる程度で、ほぼ深掘りや解消が為されないままだった。今後の続編への伏線張りでしかないのかなーって感じ。正直まだ先があると思うと、何も言えない。

まあ映像がすごいから全然良いけど

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物語の筋はなんか正直、ガバガバじゃね…?と思ってしまった。
今回パンドラは、地球人の移住先として狙われ始める。けどその為にトルークマクトの殺害が最重要だ!とまではならんのでは…?と思った。森ナヴィ全体の弱体化は図れるかもだけどさー。
それは百歩譲って良いとして、対するジェイクの「みんなで海ナヴィ国にこっそり疎開しよう!」というのも更に浅はかに感じる。疎開自体が森ナヴィの統率混乱に繋がり地球人の奇襲チャンスを生んじゃう気がするし、サリー家の危機も先延ばしにしかならない。しかも疎開先の地域で戦闘でもあれば迷惑をかけること必至。

んでクオリッチが依頼されたジェイク討伐に執着して予想通り海ナヴィに迷惑かけまくるのが本作の主軸。彼は私怨もあるしそれはそれで良いよ!?それ自体は面白かったし。
でも同時に、地球人軍とサリー家疎開後の森ナヴィ側との状況も超重要な気がするのよ。そこに一才動きが無いことから、地球人軍の目的と手段のミスマッチを感じる。結果、物語全体に対する違和感が拭えないんだ…と思った。

まあ映像がすごいから全然良いけど

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捕鯨文化への批判も残酷に描かれているが、まあここに関してはさして興味がない(商業捕鯨を文化として残す需要があるとは全く思ってないけど、鯨の生物的価値を理由に捕鯨のみをやたら批判するのもピンと来ない)。
まあ人語を理解する生命がいたらそりゃ狩猟対象でなく同じ地球の生き物として接したいよねというのは、わかる〜〜。ってくらい。

前相変わらずパンドラに対する搾取をマジに捻りのない極悪人として描きすぎだろ!とは思う。十数年も練ってこれなんだとしたらだいぶ思想が硬いんだろうな…なんだかな…と思う。

まあ映像がすごいから(以下略)

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ということで、内容に関してはちょっとウーーンって感じでした、正直。とはいえここまで文句を垂れてもやはり「映像が凄すぎる&キャラが愛おしいから良いかな」と思えちゃうパワーに溢れている作品でした。
続編も楽しみにしてます!!頼むからダレないでくれ!!

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下世話な話だけど、映像のリアルさに対してナヴィが薄着すぎてめちゃくちゃドギマギした。特にキリがヤバい、乳首が見えちゃわない!?!?って何回か思った。沢山の子どもたちが異色肌の性癖に目覚めちゃいそうで、恐ろしい
あおき

あおき