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海底二万哩のTOMJFKのレビュー・感想・評価

海底二万哩(1954年製作の映画)
4.2
ディズニーが反核戦争映画を作った時代!

1954年(昭和29年) アメリカ・ディズニー映画
この同じ年、日本で生まれた初代「ゴジラ」と同様、 本作も反核戦争・平和を希求する映画でした
本作でネモ艦長が発明した「新しいエネルギー」とは 明らかに原子力のことだろう (ラストの島の大爆発の出来栄えも素晴らしいが、ここで「キノコ雲」が発生している)
ドラマの時代設定は1868年にはなってはいるが・・・
その極めて強力な新エネルギーを政府に奪われて 武器として人民の殺りくに使うことを防ぐため 基地ごと爆破しようとするネモ艦長に対し、 アロナクス教授は 「人類の未来の夢まで消えてしまうから考え直すんだ」と迫るが ネモ艦長はこう答える
「消滅せよと天が私に命じているのだ。 未来にも希望はある。 世界中の人々が私の発明したものを正しく使う日が来るはず。
やがて、いつか・・・」 そして自らと乗組員の命ともどもノーチラス号も沈める決意をする
乗務員も皆、艦長の思いを共有しており共に命を捧げる決意である

凄い映画だ
日本の初代「ゴジラ」でオキシジェン・デストロイヤーという新発明を やはり政府によって恐ろしい兵器になることを防止するため 自ら命を絶つ芹沢教授と全く同じであるとは!

ディズニーの良心を見た!
そしてノーチラス号の外観や内装の造形が素晴らしい
特撮は レイ・ハリーハウゼンかと思って観たのだが違っていた
それでも、なかなか素晴らしい出来栄えで違和感は無かった
この時代の出来としては最高評価ですよ
そして本作のラストシーン
沈みゆくノーチラス号に、先の艦長のセリフが響く
『未来にも希望はある。 世界中の人々が私の発明したものを正しく使う日が来るはず。 やがて、いつか・・・』
つまり、これは原子力の平和利用を求めるメッセージだ
大量殺りくになる核戦争はいけない
だから、この強力なエネルギーを平和のために使うのだというメッセージ
しかし、これは原子力発電所を作れということだろうか
そうであれば、これは国策映画だ
本当のところは、どうなのであろうか?? 2014/8/14 9:24
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