にゃんにゃん

真夜中の妖精のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

真夜中の妖精(1973年製作の映画)
3.8
オープニングからめっちゃ田中登感あふれてて名作の香りしかしない。懐かしい雰囲気の路地裏、大好きな山科ゆり。盲目役でもそうだったけど、目が開いてるのに何も目に映ってない生気のなさ、知性のなさ、なのに風間杜夫との関係を深めるにつれ目に生気が宿っていく、その演技力がひたすらすげえ。山科ゆり×風間杜夫といえば古都曼荼羅だけどあれとは山科ゆりがキャラ変しすぎててすごい。対する潤ますみのひたすら眼力。初期ロマンポルノなのでモザイクがあからさま、いつものお屋敷、いつもの間抜け好青年織田俊彦。風間杜夫が青春ならではの暴力性をこじらせすぎていてルサンチマン全開でドン引く。ウェディングドレスで江ノ島鎌倉と湘南ロケ、風間杜夫まわりがカオスすぎる分山科ゆりの純朴さがまぶしい。終盤の畳みかける不穏な映像の嵐はいかにも田中登。ちょっと胸にぎゅっとくるところもあったんだけど謎のベクトルに振り切れすぎてて田中登にしては響ききらず。陽光まぶしい砂浜情事シーンが鮮烈で美しすぎる。
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