しゃりあ

さよなら、ジョージ・アダムスキーのしゃりあのレビュー・感想・評価

3.9
もう少しハズしてしまえば、ガキ使の笑ってはいけないのバスシーンになってしまいそうなカットですら、夕陽を差し込ませることによってショットを持たせていて気概を感じる
あっちは夜だし右へ移動するが、ふたりぼっちっぽい横移動する公園のワンカットも上手いし、引きの画がかなり良かった 台風クラブの校庭走るところとか思い出す
不穏さはやはり心霊モノに通じていて、バキの家さながらのおっさんの家よりも、2階の影などが自覚的に演出されていて、画で不安感や怪しさを醸し出している

話自体もやるせなさが全体的に漂っていで良い
イかれた方が小学校でハサミを頭に刺してしまうあたりまではマジで文句のつけようがないが、おっさんの家でドタバタやり出してからセリフは割と耳を素通りしてしまった(それでもショットはずっと良かったが)
もっと出来事が見たかったし、「これなら俺でも思いつくな〜」くらいのアイディアのまま終わった印象がある(こんなん俺には作れねえよ〜と思う作品が観てきた映画の9割くらいを占めるにも関わらずだ)

個人的には良くも悪くも、児玉監督はヒネれる優等生A++みたいな感じなので、個人の色が濃く出る演出の黒澤清とか、話をブッ飛ばしてしまえる白石とかとはそもそもジャンルが違って比べるモノでもかもしれないが、突き抜けてウケはしないのかもなぁとしんみりした
でもやっぱり画がすごい良かったし、心霊やってる監督の中ではダントツにキメた画面撮れる人なんだろう