YYamada

いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.7
佳作!傑作!【外国映画のススメ】
『いつだってやめられる』①

◆製作国: 🇮🇹イタリア
◆製作年: 2014年
◆ジャンル: 「犯罪コメディ」
◆受賞歴:
・第59回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞:
 12部門ノミネート
・シルバー・リボン賞受賞

〈見処〉
①イタリア版『ブレイキングバッド』
 大学教授、ドラッグを密売!
・『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』(原題:「Smetto quando voglio」=「欲しいときにやめる」)は2014年のイタリアの犯罪コメディ映画。
・本作の舞台は現代のローマ。神経生物学者のピエトロは研究に人生を捧げてきたが、大学から研究費を削減され職を失ってしまう。
・新しい職も見つからず路頭に迷った彼は、自分の知識を生かして純度100%に近い合法ドラッグを作って売り出すことを思い付く。
・ピエトロは自分と同じく社会から不遇な扱いを受けている経済学、化学、人類学、ラテン語の専門家たちを集めて、7人の素人犯罪集団を結成。彼らのドラッグは評判を呼び、売り上げもアップしていくが…。
・本作は、1981年生まれの新人監督シドニー・シビリアが「首席の学者がごみ収集員」という記事から着想を得て、素人犯罪集団の運命を独特の映像センスでテンポ良く演出。1,800,000ユーロ(=2.3億円)の低予算ながら、イタリアでスマッシュヒットを記録。
・化学の知識を駆使してドラッグ生成する設定は、米国の大ドラマ『ブレイキング・バッド』を彷彿とさせるが、『オーシャンズ11』や『レザボアドッグス』に代表される犯罪者集団の活動を描く「ケイパームービー」の形式をとっている。

②結び…本作の見処は?
○: 7人の学者それぞれにキャラクターが確立しており、登場人物の名前を覚えなくとも、気軽に楽しむことが 出来る良質のクライム・コメディ。
○: ローマが舞台ながら、古い街並みや遺跡は登場せず、現代社会のイタリアを見ることが出来る。
○: クライマックスは『オーシャンズ11』などの大作には劣るが、B級臭なくまずまずの仕掛け。
YYamada

YYamada