Na2kokinawa

ラブ・アフェア 年下の彼のNa2kokinawaのレビュー・感想・評価

ラブ・アフェア 年下の彼(2012年製作の映画)
5.0
私も度々夫と心が通じないと感じることがあります。それは別の人間なんだから、それぞれで仕方ないことですが寂しさを感じるのも事実です。足並みを揃えるには会話しかありません。しかし物理的に忙しさで話が出来ないことはよくあることです。
忙しい夫に気を配って早く寝かせてあげるのも愛、妻の異変にいち早く気づいて多少無理してでも話をすることも、また愛。
夫婦生活を心地よいものにするには、どちらかが我慢するだけでもダメ、お互いが主張するだけでもダメ。

これは愛についての映画だと思います。

戦争の時代の話をしているおばあちゃんの充実感と、子どもが産めないことを夫婦間で整理できていないジェーンの不安感を比較しながら見る映画です。
母になれなかった喪失感は私には想像を絶します。それは夫と気持ちの交じらないセックスをした翌日に若い子としてしまうというジェーンの行動で、自分には分からない感情だなと思ったからです。ジェーンはおばあちゃんに憧れています。おそらく生命の源として、力強く生きた祖先としてです。そしてジェーンはおばあちゃんにはなれない。イヤホンのおばあちゃんのインタビューをジェーンがどんな気持ちで聞いていたのか想像しながら観客は頭を回転させる。こういう映画好きです。声だけの出演ってところが想像力を刺激する良い演出だと思いました。

ラストは通じ合えずに終わりました。そしてケイレブにもついて行きませんでした。ケイレブの若さに眩しさや好意を抱いても、抱えているものの違いで一緒に行っても自分の心は解放されない、と判断したのでしょう。人生のステージが違うのです。

ちなみに邦題の問題ってありますよね。年下の彼って、、。それはないでしょ。