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アノマリーのJIZEのレビュー・感想・評価

アノマリー(2014年製作の映画)
1.9
"9分47秒で男の人生が終わる⁉︎"...ガジェット豊富な近未来SFモノ。率直な見解を先走れば,B級街道をゆく駄作!!でした。まず原題の由来"アノマリー(英語:Anomaly)"はある法則・理論からみて異常or説明出来ない事象を指しますが,要はこの作品..リミット制限"9分47秒"の謎に醍醐味カタルシスが全てつぎ込まれてる訳ですね。順序的にも主人公ライアンが突如①目を覚ます②事態を把握③行動(脱出)に移つ④(9分47秒が経過し)突如気絶,とパターン化される連続的図式がほぼ起伏なく終盤まで永遠に続きます。やりとりされる描写でも敵側からの尋問or囚われた場所からの脱出が大半でアクション場面だけ何故か鈍くなる演出は駄目でした。昨年,年間ベスト第2位入りを果たす同じSFモノ『オールユーニードイズキル』の方が大予算を投与された大型バジェット作品とは言え何倍も派手さプロットの巧妙さは繊細にも伺え今作はその分,作品の底力を過度に期待し過ぎたのかもしれません。今作は低予算な為,過度な文句は言えませんが,一言で言い表すと至極酷かった....!!!詳しい詳細は下記で述べます。

今作の結論,まず善良的な見解では主人公が限られた時間内で奔走し苦しむ"予測出来ない焦燥感"だと思います。逆に否定的な見解では,SF,アクション,人間ドラマ,特殊設定とあらゆる方向に多重要素を盛り込み外連味なしに直球勝負で脚本を練り上げた結果,裏付け(背景)部分が浅過ぎる為か駄目な方向に全てが転じ,どん詰まり感が否めない駄作!!でした。要は,脚本の綻びです。アクション描写or会話場面にしても"映画"として画角に収める魅せ方が狭域的にこじんまりと沈み下手過ぎた...印象でした。マトリックスを想わせるスロー演出,煮え切らない切れ味の悪さ,理論武装をカマス物語不在感...全てが浮き彫り化し呑み込めない違和感が残る。昨今のSFモノでよく多用される"タイムパラドックス"や"ループ構造"を応用すればまだ救い甲斐の残る作品に思えました。9分47秒設定を起用する事で生ずる1度全てがリセットされる感or別物語感など1度線引きする構成が興味を削ぎ駄作に導いたように思えます。

従い,クライマックスの三つ巴決戦も魅せ方が普遍的過ぎた為,許容的にも全然駄目でした。硝酸を顔に浴び迎える終焉ってな..SF的に駄目でしょう。もっと派手さが必要!!期待を裏切られ想像以上に駄作ですね。流動的に切り替わるSFの多層構造をもう少し捻れば悲惨な事態は回避出来た筈..むやみやたらに物語を過剰気味に演出し空振らせ世界観の拡大を図る制作側の挑戦意欲が全て裏目に出た悪印象です。正直この作品に対する鑑賞意欲も開始20分で途切れました。。駄作過ぎると描写毎の各エピソードを広い正確に分析する気も正直ウセますね。前に評した『ダウトゲーム』とは一線を画しTSUTAYAの発掘作品は落差が激しいと改めて考えさせられた。この作品決して,お勧め出来ません!!
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