JunIwaoka

はじまりへの旅のJunIwaokaのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.5
2017.4.8 @ ヒューマントラストシネマ渋谷

成熟した資本主義に疲弊してしまった社会にいると、その社会の外側で自給自足して生きることほど、豊かな暮らしはないんじゃないかと思うときがある。いまの不自由のない生活を捨てることは、多くの犠牲を払うことだからただの現実逃避なんだけど。普通という言葉が強要する抑圧、その空気に知らぬうちに息がつまりそうになる感情を押し殺してしまう。常識なんてものは限られた場所でしか通じないルールだから、楽しいときにも笑って、悲しいときには寄り添って歌う。I Shll Be Releasedだってさ。
家族ってものも最も小さなルールだから、世間知らずな思春期の青年たちには、その絆は呪いのようなものかもしれない。それは痛いくらい分かる。でも彼らが信じたように、あの父ちゃんの気持ちに触れたときに幸せの意味が分かる。
ロードムービーと家族映画という大好きな要素が詰まったこの映画を愛さずにはいられない。
ノームおじさんの誕生日を祝うという発想は面白かった。僕もこれはじめたい!あと本質を理解するサージ(だったっけな?)が定義したファシズムが、今の日本まんま当てはまって複雑な気持ち。
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