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エスコバル 楽園の掟のクリームのレビュー・感想・評価

エスコバル 楽園の掟(2014年製作の映画)
3.7
TVでパブロ·エスコバルの話をやっていて、一部の住民から今も英雄視されていると言う話が気になり鑑賞。結論は、やはり英雄な訳がない。コカインでイカれた人の戯言だったか、恩恵を受けたからか、恐怖からかは解らないが…。映画は、ニックと言う青年が主軸で彼の立場から見たエスコバルの恐怖。それなりに楽しめるが、エスコバル自身の話としては、薄味。
コロンビアの麻薬王エスコバルの姪·マリアと婚約したカナダ人青年ニックが、望まないもエスコバルファミリーの一員となってしまう。表向きは慈善家として活動していたエスコバルの真の顔を知った彼は、マリアとカナダへ逃亡しようとするのだが…という内容。




ネタバレ↓




映画の内容は、ニックの視点で描かれるので、客観的に見たエスコバルの姿。一応、事実に基づいて作られた話らしいが、この話自体があったかどうかはわからない。人物像や犯した罪は、大体あっている様だが…。ベニチオ·デル·トロは、実物よりかなりイケメンで凄みも増し増し、中々の怪演だった。それだけでも一見の価値はあると思う。
マリアが叔父であるエスコバルの資金源を、悪びれずコカインと言い放った時にニックは、逃げるべきだった。が、惚れた弱味で、どうにもならなかったんだろう。もう後は、想像通り話が進み、人殺しを強要され、相手が15歳の少年で1児の父と解り、殺せないニック。彼を逃がそうとした所、彼等家族も兄家族も殺され、自分もターゲットになってしまう。最後まで頑張ったが、結局殺されるであろう終わり方だった。
エスコバルは家族や味方、貧困層には恩恵を与えたが、自分にとって障害となる人物には容赦なく残虐だった。だから熱狂的な崇拝者と、彼を心底憎む人々が存在したのだろう。映画の時代背景は、実際にエスコバルが服役する事になった1991年で、その後1993年にメデジンで命を落としている。コロンビアのエリート部隊がエスコバルの無惨な死体を囲む写真が現在もネットで簡単に閲覧出来るのは、エスコバルを憎む人の方が多い証拠だろう。
映画は面白かったが、結局知りたかった事は、ググった。でも調べるきっかけになったし良かったかな?まあ楽しめました。
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