ロマンスカーのアテンダントの大島優子、乗りあわせた中年客の大倉孝二とひょんなことから旅に出る…
全人類が一度は観ているのでは?と思うプロットたが演出、脚本、演者最高。
ひょんなことから旅に出る系映画の中でも旅というには短い旅。
行って帰ってくるというのが本当に良い。
全体的に偉ぶって名作面してないけれど勝手に心に刺さる。
端から見たらそこまで気にすることでもないように見えるけど登場人物の抱える問題が本人にとっては情けなくて泣けてしまう感じとても良い。
タナダユキ作品の登場人物はやたらと心に残ることが多くて主役とか脇役とか関係なくそこには人間がいるなと毎度思う。
作品を観る度に演出が好きを通り越して演技経験ありませんが「僕も出たいんですけど」とすら思う。
やはり泣き笑いするしかないようなホテルでのシーンが忘れられない。
人生の愚かさ美しさ全て詰まっているように思える。
正直、奇跡が起こっているかの様にすら思えてこの雰囲気の映画でこんな感動させられるとは思っていなかったので驚いた。
他作品でも人のみっともなさ、どうしようもなさのようなものが語られていたけれど、どれも胡散臭くなく、切実で刺さる。
トーンが違うけど『マイ・ブロークン・マリコ』と通ずる所も感じる。
とりあえずタナダユキ作品は今後も全て観ようと思った。