掛谷拓也

ロング・トレイル!の掛谷拓也のレビュー・感想・評価

ロング・トレイル!(2015年製作の映画)
3.3
ノンフィクション作家ビルブライソンの「北米アパラチア自然歩道を行く」の映画化。原作は40代のビルブライソンが友人とアパラチアントレイルを歩くノンフィクションだが、映画では70代の引退作家がレイルを目指す話に改変。主人公の旅行作家にロバートレッドフォード。シワだらけのレッドフォードが等身大の70代の役をしているのは良い。悪友のカッツ役にニックノルティ。若者時代を一緒に過ごした二人が何十年を経てアパラチアン山脈ドタバタ珍道中を繰り広げる。最初レッドフォードは相手役にポールニューマンを考えていたが、彼の死後いったんこの作品を諦めたそうだ。ニックノルティのコメディチックなキャラクターも良いが、ポールニューマンならどんな作品になっただろうと考える。もっと内省的な作品になったかもしれない。それとも原作のユーモアの残る、初老の二人が美しいアメリカ大陸最長のトレイルを歩く、僕の知らないポールニューマンが見れたかもしれないとか考えるのも楽しい。それにしても、アパラチアントレイルを歩きたくなる。全長3500km弱なので1日10時間歩いても100日かかる。年間2000人が挑戦するが10%しか成功しないそうだ。このレビューを書いたあと、Audibleで原作の朗読を見つけて聴き始めた。トレイルを書いたノンフィクションの朗読を聴きながら歩くと、ただの道でも楽しくなる。