小松屋たから

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けの小松屋たからのレビュー・感想・評価

4.0
やっぱり感傷的になりますね…

40数年間、これほど、感嘆、絶賛、憧れ、期待、待ち遠しさ、そして、苛立ち、疑問、不満…様々な感情を自分の中で湧き起こさせてくれたシリーズは他には無い。

子供の頃、何かとてつもなく壮大なシリーズが、「エピソード4」という中途半端なタイトルから始まった意味がよくわからないまま夢中になったし、その後、最高の5,6とあって、全9部作と言われつつ、もう観られないのかとがっかりしていたところ、デジタルリマスター版、そして、ルーカスの手による1,2,3。その先は無いと思っていたら、まさかのディズニー傘下で7,8,9。

このサーガが、技術革新、新たなクリエイターの創生、ビジネス、マーチャンダイジングといった映画界発展へ多大な貢献をし、また、何より、自分の人生を随所で楽しませてくれたことを思えば、ほぼ同時代を生きられたことは幸運でしかない。

評価の高くなさそうな7,8,9。確かに7以降は、「フォース」が単なる超能力扱いで、なんだか、根本的な精神性が失われた感は否めない。また「同窓会感」と「ポリティカルコレクトネス」とが前面に出てきたこともあり、「観たいものとは違う」という思いはあった。でも「ローグ・ワン」のような秀逸なスピンオフは生まれたし、リジー・リドリー&アダム・ドライバー、そして、レイ&カイロ・レン、それぞれ、役者として、キャラクターとして、魅力がどんどん高まっていくのがオンタイムで感じられて、その視点からすれば見どころもたくさんあった。

今回の9は6の焼き直し、という評価は免れないだろう。ただ、「個人の信念の集積と市民の力が世界を良い方向へ向かわせる」という最初の3部作のメッセージに立ち帰ったことは正しいと思うし、8で必要以上に失った「らしさ」を取り戻すことにはギリギリ成功したのではないかと思った。
(ところで、ハリソン・フォードのノンクレジットはなぜ? ぜひどなたかご存知の方、理由を教えて下さい!)

これで完結、と言いつつ、これほどのビッグビジネスの舞台が放っておかれるはずもなく、きっと数年後、続編かスピンオフ制作の動きは出てくる。もちろん観に行ってしまうんだろうが、でも、ここで終わって欲しいな、という気持ちもある。だって、何十年も「全9エピソード」と聞かされてきたんだから。

これまでの長年の個人的な映画鑑賞史を想えば自分にとって点数をつけるのにふさわしくない作品で、9部作全体で言えばもちろん5点。でも、7,8,9なら3.5点。9単体では惜別と感謝の念も含め4.0点。こんな感じでした。