幽斎

第三の選択/UFOと米ソ宇宙開発の陰謀!人類火星移送計画が極秘裡にすすめられている!?の幽斎のレビュー・感想・評価

5.0
今まで観たドキュメンタリーの中でも断トツの1位。武漢ウイルスで新作の公開が先送りされ、シネコンが閉鎖される中で、過去のお気に入りを掘り起こすのもアリかなと。

1977年6月20日 イギリス、アングリア・テレビジョン(現ITV)放送
1978年4月06日 フジテレビ、何故か帯番組の無い23時55分放送
1982年1月21日 日本テレビ、UFO特番の一環としてゴールデンタイムに放送

始めにお断りだが本作はフェイク・ドキュメンタリーで、議論すら値しない。現在プレミア価格が付いてるDVDを発売日に購入したが、特典映像で製作30周年を記念した2007年製作の番組で主演のTim Brinton、監督のChristopher Miles、脚本のDavid Ambroseが明確に創作と言及してる。衝撃の火星の生物発見シーンで蠢くモノは、監督の指などトリヴィア満載。因みに鶴田法男監督のゆうばり映画祭のトークショーは見る価値無し。

最初に観たのは、父が所有してた古いβのソフト。そのリアリティに子供心を大きく刺激された。40年以上経った今、本作をモキュメンタリーと片付けるには番組は高度に思慮深いと言うしかない。第一に司会のTim Brintonは保守党の国会議員で有り、守秘義務が伴う公人が、ニセ番組を敢えて司会する根拠が見当たらない。有名な最後のテロップ「4月1日」のキャプションがエイプリルフールと言うのも、如何にも後付け感が強い。実際の放送は6月20日で、分り難い演出をしなくても最後に「この放送はフィクションです」と流せば済む。日本の皆さんは単純に4月1日だからジョーク番組だと信じるだろう。しかし、イギリスでは嘘を吐けるのは正午までと決められてる。とすれば、夜の番組は嘘では無い事に成る。Tim Brintonの最後の言葉は、真に迫ってた。公人の彼が、其処まで訴えたかった事とは何だろうか?。

番組「サイエンス・リポート」は硬派な科学検証番組として毎週放送され、人気を博してた。エンディングの印象的な音楽はアンビエントの先駆者Brian Eno。美術監督は「007リビング・デイライツ」でボンド・カーを設計したTerry Ackland-Snowと英国の精鋭が手掛けてる。宇宙飛行士ボブ・グローディン役のShane Rimmerは「合衆国最後の日」「戦争の犬たち」「バットマン・ビギンズ」に出演したハリウッド俳優。イギリスのドキュメンタリーに出演したのは、同盟国アメリカの思惑も見え隠れする。この番組は「サイエンス・リポート」の最終回でも有る。ドキュメンタリーの有終の美をフェイクで終わらせるのが、イギリス人のジョーク、とでも言うのだろうか?。

続編と言えるLeslie Watkins著「第3の選択 米ソ宇宙開発の陰謀」では番組で語られなかった第1、第2の選択が述べられてる。「第1の選択」成層圏で核爆弾を爆発させ大気汚染を宇宙へ逃がす。「第2の選択」地下に都市を築いて選ばれた人類のみが移住する。そして「第3の選択」エリート層のみ火星に移住、地球から拉致された市民が地球外環境で汚染除去を担う。興味の有る方は現代の科学考証を加味したJim Keith著「第四の選択」もお薦め、陰謀論の中でも信憑性が高い一冊。

日テレで紹介した矢追純一氏は「フェイクと言う指摘が行われても、情報提供者を守る為に、フィクションという形でしか放送できなかった」と自身の著書「第三の選択の謎 宇宙への人類移送計画は真実か」で述べてるが、私もそう思う。2020年を迎えた今、現在の地球は番組が予見した通りで、当時の科学者ですら一笑に付してた「地球温暖化」を取り上げた事、火星には氷河が有る事、そして地球から見えない月の裏に何らかの施設が有った事。温暖化は二酸化炭素の増加が原因では無く、太陽の活動が活発化したから。「不都合な真実」Al Gore元副大統領、貴方は機密情報に触れられる立場だった。にも拘らず排出権を煽って私腹を肥やしてる、恥を知れと言いたい。

なぜ電卓程度の計算機しかない時代に、月から地球へ帰還する高度な計算がリアルタイムで行えたのか?。なぜ米露は地球で対立しても、ISS国際宇宙ステーションで同盟国の様に活動できるのか?、日本を含めた3ヵ国のみで運用してるISSは、毎日何をしてるのか?。なぜNASAは表向き、宇宙開発をスペースXに任せているのか?。月の裏側で探査する中国、既に月には利用価値が無い。だから日本の「かぐや」を使って「ほら、裏側には何も有りませんよ」と多額の税金でアピールした。施設は既に破壊され、別の惑星に基地が有ると考えるのが自然の流れ。私には「トータル・リコール」で描かれた火星が、全て空想だとは思えない。

常識に疑問を持つ、この番組が教えてくれた真理。Tim Brintonは最後にこう言った「貴方からのご感想をお待ちしてます」
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