ちゅう

ピクニックのちゅうのレビュー・感想・評価

ピクニック(1936年製作の映画)
3.5
モーパッサンの短編「野あそび」をジャン・ルノワール(印象派絵画で有名なルノアールの息子)が映画化したもの。
戦争が起こったため未完のままとなった。

未完のためなのか狙いなのか、特にクライマックスの抽象度が高い。
原作である「野遊び」では小鳥の鳴き声がメタファーとして機能し官能的な状況を予感させたが、映画ではほとんど小鳥の鳴き声は使用されず原作にはない夕立ちを印象的に使って登場人物の心情を描いているように思われる。
映画の方がより抒情的でロマンチックであると感じた。
原作の小説はより官能的で直截的であると思う。

印象派の絵画に喩えられるぐらい美しいと評される作品。
特に森の中のシルヴィアバタイユの表情がとても魅力的だった。
ちゅう

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