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キューティ・コップのJIZEのレビュー・感想・評価

キューティ・コップ(2015年製作の映画)
2.4
リース・ウィザースプーン主演の見境無きB級発狂コメディ映画!!警官が違反行為を連発し劇場未公開も当然!!父親の殉職背景や黒幕思惑も全てお馬鹿要素が相殺!!エンドロール演出で最悪な事態も勃発!!前に扱った同主演『デビルズ・ノット(2014年)』や『わたしに会うまでの1600キロ(2015年)』で彼女の深刻な芝居を買っていて正反対なコメディ劇も観てみたいと思い低予算な本作を監視。先に全体像の結果を申せば...構成で転調や深読み要素が一切皆無で救い余地無く駄目な方向に全てが転嫁な珍作!!であった。お馬鹿感が濃すぎ誰得感が否めない一品でもある。稀少なシリアス場面でも流暢な毒っ気調で場の雰囲気を相殺させコメディ映画観点でも変わり映えない景色が継続的に続き深みを一切帯びず。何故ここ迄お馬鹿路線で勝負に出たのか..名女優を主役に起用しただけに不満が残る。内論でも開幕から主人公クーパーの幼少期を軸点に描かれ警官である父親の教えを請いパトロール中の後部座席に座らされたり捜査協力をしたりと今後の成長を厚く予感させる幕開けな訳で,まして父親の存在を膨らます事で主人公の目指すべき将来の理想像という映画的な推進力を為す二重の意味で差押えた演技を仕掛ける訳ですがそれ以降の全展開で全てお馬鹿路線を駆け抜け過ぎた為か高等向けなロジックが一切絡まず警官気質である平均的な身体能力もなければ飛び抜けた知能も欠き端的に素人が護衛職務をシカゴ迄任され行き当たりバッタリに難を逃れた程度しかアレじゃ映らない。唯一過去にクーパーが「俺、ショットガン!」と叫んだ高校生に拳銃を放ち"クーパー撃ち事件(通称:例の事件)"を職務中に起こした事で証拠品倉庫係に左遷され後々に父親も殉職で死去という核心部に響く(甘く見積もり)本作中では最大最強のエピソードである訳ですが,その円環的な便乗の仕方も終盤で首を捻らざる得ず確かに父親との面影を重ね大事な人を守る枠組み自体は見事に整合し納得な故に考え抜かれたロジックがやはり無く絡まずで雰囲気が全て浅く低度な描写にアレじゃ見えるのも仕方ない。序盤で任務依頼を遂行する為にリヴァ家を訪ねそこに2人組みの覆面男が侵入し本作唯一のアクションが展開される流れでも射殺された仲間に対し生存確認の為,足で倒れてる人間を蹴り安否確認を平然な態度で施したりSOSを呼ばず弱腰で周囲を浮浪者ばりに徘徊と警官職務上で違反行為を連発する始末。クーパーのキャラ造形が全く感情移入できず題材がお馬鹿なら人物造形もお馬鹿全開というこの作品を深読みする行為自体を物語が進むに連れ観客側自体も感化されるようお馬鹿感が増す。上述したよう要は構成面や脚本面で結果全てが鈍重です。会話やシナリオでどうでもいい右往左往が鈍重に続くため興味が端的に続かない...

邦題『キューティ・コップ』がかつてリース・ウィザースプーン主演のコメディ映画『キューテブロンド』を意識したオマージュ的作品みたくまた長身美女のダニエル役ソフィア・ベルガラとウィザースプーンの2人が対照的なデコボココンビであり身分の違いをデフォルメさせたかったのか悪ノリ的な描写も全編的に目立ちました。クーパーのスマホをダニエラが意図的か落とし通報手段を失われた事で後にダニエラのスマホを無線機代わりに傍受させ結果同様にスマホを潰す一連のシークエンスでもなんかね...因果応報の報いを主張したい構成の意図は把握できるもそのような小ネタ的ギャグが全体の雰囲気を覆う為,黙祷せざる得ない作品に仕上がってます。観客を小馬鹿にした描写が劇中で悪く目立つのもキャラ描き込みを怠けたしっぺ返しに思え父親の殉職設定が一向に活かされないし黒幕の通り一辺倒な感じもなんとかならないのかと疑問。色気をアピールしたり下劣な下ネタを入れては発狂の連続で鑑賞中も彼女の呼吸に合わせる事自体に正直疲れました。クーパー自身は劇中のこの任務が職務復帰の祈願的な重要性を兼ね備えた設定なんだからソレで違反行為って端的に設定が強引過ぎるしヤバい奴でしょ...とそもそもの立脚点に立ち返り警官資質よりも下町の商業人とかの方が..と穿って勘ぐれた。トイレの窓辺から脱出する描写,無駄にオーバーヒートする車体,検問で鹿の皮を被り鑑賞側に沈黙が流れる不穏...転調無く観客目線を無視した構成及び脚本の全責任!!です。そして本作1番の問題箇所。最後のエンドロール演出でも最悪な事態が勃発する。要は監督と演者の生温いNG集です。割と長尺を占め流していたのでご想像通りのジャレ合いが展開されてます。題材がお馬鹿路線なら最後の最後まで変わり映えなく...な逆にブレーキを一切利かせず珍作街道を全速疾走な救済余地を最後の最後まで感じさせない珍作。結果的にリース・ウィザースプーン主演で観たも彼女の"名誉を堕落させる限り無き末端作"と結論付けました。普段から彼女の芝居を好む方は過剰に寛容なお馬鹿視点でガールズ映画な目線で,お勧めです。
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