映画の味方あっつマン

怪物はささやくの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
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難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという——。


本作の怪物は、怪物らしいことはしない。タイトルの通り、物語をささやくだけだ。

私が小学生の頃、「不思議の国のアリス」のようなファンタジーを期待して「ソフィーの世界」を読んだら、思ってたのと違い、あまり楽しめなかった思い出がある。本作も、「パンズラビリンス」の様な冒険ファンタジーを期待して観ると、肩すかしをくらうかもしれない。

冒険ファンタジーではなく、少年と家族のストーリーの中に、怪物がささやく教訓にも似た物語が入って来る。主体は母の病に悩む少年の話だ。

怪物がささやく「真実の物語」は、中世が舞台で、魔女なども登場して、ファンタジーの要素も強い。そして、物語のときに流れるアニメーションは美しい。キャラクターのCGはともかく、水彩絵の具がにじんだように描かれる背景は、とても幻想的だ。

そういえば、MonsterとMotherって少し似てるなと、エンディングロール前に出て来るタイトル「A Monster Calls」を見て思った。