かく

あっちゃんのかくのレビュー・感想・評価

あっちゃん(2015年製作の映画)
3.7
公開当時映画館で見た。今回YouTubeにて改めて視聴。

ニューロティカというバンドを知っている、何なら曲も聞いたことがある、というところから見るべき門戸の広くない作品だと思います。
ライブ映像はあるけれど一つ一つが短いし、全く知らない人がこの作品で音楽性に触れて新規のファンになるとはちょっと考えにくい。
あくまでニューロティカというバンドを知るためではなく「あっちゃん」という不思議な魅力のある一人の人間を知るための作品なのだと思います。

モッシュでごった返した狂乱のライブハウスの中心にいながら笑顔と軽いトークと激しい歌を撒き散らすピエロ。八王子の菓子屋を切り盛りする中年の男。親しみのあるキャッチーな印象と骨の髄までパンクロックが染み込んだ反骨心を時折覗かせる晩酌をしているおっさん。
あっちゃんをよく知る人でも「底の知れない」という言葉が出る通りものすごくイビツで魅力的な人間像。
映像作品として一応の落とし所を作ってくれてるとはいえ見終わった後に一人の人物を「理解する」には程遠く。

ただ数年ぶりにあっちゃんを観にライブハウスに行きたいな、
と思わせてくれるのには充分な良作でした。
かく

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