モスマンは実在する

ヒロミくん!全国総番長への道のモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

5.0
竹内力の唾液と振り切った演技によって成立するシリーズ第1作目。ストーリーよりも竹内力の「顔から発されるパワー」「存在そのものの獣感」を存分に味わう映画。この様な、とても狭いがピンポイントのツボを狙ってきて外さない映画が好きだ。
竹内力が、過去に出演した「岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説」シリーズでの高いテンションを独自進化させ、本作でぶちまけた印象。「岸和田少年愚連隊」シリーズではVシネマでおなじみの役者陣の演技力により全体のテンションの高さが均等になっていたものの、本作においては竹内力の高いテンションに匹敵する力強い役者がいない。そのため竹内力だけがとにかく目立ち、異様に見える。それが劇中での役にもはまっていて良い。

ラスト、大馬鹿代(竹内力)の歩く地響きを感知した白鳥広海(竹内力)が振り向く場面により、これまで見せられてきた壮絶な戦いはまだ序章に過ぎなかったことを知らされる。いずれ二人は戦わねばならなくなるのだろう。しかし、それをどうやって映像にするのか。このシリーズは一体どこへ向かうのか。そして、これから一体何を見せられるというのか禍々しい予感が半端でない。

次作は一体どうなるのか。
竹内力が一人二役演じる役が戦うとなると「自分自身の精神的な分身と戦う」みたいなテーマなのではないか。だとすると、後々「ファイトクラブ」みたいになってくるのではないか。