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THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッションのtheocatsのレビュー・感想・評価

2.5
テーマは米国的家族愛。偽絵描写には不満も

モネのような印象派絵画の偽絵をどう描くのかが個人的興味点。
一般的な精密模写は細かいマス目に区切って瑕疵点が絶対生じないように慎重に描くものだが、本作では完全フリーハンドで細密チェックなし。
これでは話にならないと呆れ果てたが、偽絵の目的が「美術館で本物と偽物をすり替えた後、本物をクライアントに渡し逃亡するまでの一時的時間稼ぎ」と気づき、それならフリーハンド偽絵の役割は十分かもしれないと渋々納得。
でもその割には市販の練り絵の具を使わず、公害汚染されていない拘りの顔料をわざわざすり潰して油を混ぜ絵具を作るなど、奇妙なマニアックさを見せているのがおかしなところ。

しかし、一番の問題点はあんなアメフト選手みたいな体つきで喧嘩がめっぽう強い偽絵描きなんていねぇよっ!! ということ笑。

まぁ本作のテーマが米国的家族愛の物語なので、偽絵パートがおざなりになったのは別に大した問題ではないのだろう。

その家族愛パートはありがちなホームドラマ的で可もなく不可もなく。

総体的には軽いバイオレンスと犯罪劇付き無難な仕上がりのアメリカンホームドラマといった感じ。個人的にはホームドラマパートは除いても良かったんじゃないかと思うが、それを抜いたら米国の興行主も観客も物足りないのかもしれない。

総評2.5の二つ星

002010
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