天豆てんまめ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

4.3
‘破’はサービス精神満載で滅法面白い。
公開当時のインパクトと興奮を覚えている。

ただ、全てを見終えて今思うと、エヴァの世界観や先の読めない展開も去ることながら、各キャラクターへの愛着が心に定着している気がする。もう殊更に語る言葉はない。ただ印象に残った台詞を列挙しよう。それだけで彼らの息吹を感じられる。新作を観てから序破Qを観ると更に深く感情移入できる。特に’破’はエヴァンゲリオンの青春性が色濃く詰まった傑作エンタテイメントドラマだ。

シンジの覚醒。
「エヴァの中……何でだろう、こんな時なのに妙に落ち着く……もう乗ってるのが当たり前なのかな?何でだろう……懐かしい感じがする……。匂い?母さん……?」
「くそっ、止まれっ!!止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ……」
「僕は、エヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!!」
「綾波を返せーー!!」
「違う!綾波は綾波しかいない!」

レイの人間味。通称・ポカ波😂
「碇司令……今度……碇君やみんなと一緒に食事……どうですか?」
「私は繋がっているだけ。エヴァでしか、人と繋がれないだけ」
「わからない。ただ、碇君と一緒にいると、ポカポカする。私も……碇君に、ポカポカして欲しい。碇司令と仲良くなって、ポカポカして欲しいと……思う」
「いいの、碇君。私が消えても代わりはいるもの」

アスカのツンデレ女心。そして、悲劇。
「ふーん。あんたバカぁ??肝心な時にいないなんて、何て無自覚」
「ずっと、一人が当たり前なのに……孤独って気にならないはずなのに」
「うーん……バカシンジだともう少し薄味のほうがいいのかな……」
「ホンット、つくづくウルトラバカねっ!それって、好きってことじゃん!」
「そっか……私、笑えるんだ」

マリのセンセーショナルな登場。
「胸がキツくて嫌だ」「ワックワクするなー」
「♪しっあわせはー あるいてこない だーからあるいてゆくんだねー いっちにちいっぽ みっかでさんぽ さーんぽすすんで にっほさがる じーんせいは わんつー ぱんち♪」
「ううぅ、いったーい。すっげえ痛いけど、面白いからいいっ!」
「君……いい匂い……。L.C.L.の香りがする」
「モード反転!裏コード、ザ・ビースト!」

ミサトの葛藤。
「っぷっはー!っくぅぅぅっ!やっぱひとっ風呂浴びた後のビールは最高ねぇ」
「だから私は、あなたに自分の思いを重ねてしまった。それをあなたが重荷に感じていたのも知ってる。今あなたがエヴァに乗る目的に失望してしまったことも知ってる。けど……それでも私は……あなたに……!!」
「行きなさい、シンジ君!誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!」

リツコのいつも解説。
「そう……セカンドインパクトの続き。サードインパクトが始まる。世界が終わるのよ」

カジリョウジの願い。
「本来、この世界は広くて、いろんな生命に満ち満ちている。その事を君らに知っておいて欲しかったんだ」
「葛城を守ってくれ。それは、オレにできない……キミにしかできないことだ。頼む」

冬月の本音。
「私は人で汚れた、混沌とした世界を望むよ」

ゲンドウの企み。
「すべてはゼーレのシナリオ通りに」

カヲルの謎。
「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」

ケンスケもトウジも委員長の14歳たちの笑顔も沁みる。

そんな愛すべきキャラクター達の最高の見せ場が詰まった傑作。

それが「破」!!