あず

LION ライオン 25年目のただいまのあずのレビュー・感想・評価

3.7
実話ベースの素晴らしい人間ドラマで大体のストーリーは予告編でわかってたけどこんなに骨太ですごい映画だとは思ってなかった。


特に前半、インドでの幼少期パート。「スラムドッグミリオネア」とか「シティオブゴッド」を彷彿とさせるようなスラムっぽいインドの映像。
撮影監督が「ゼロダークサーティ」のグリーグ・フレイザーで緊迫感溢れる感じはすごい見応えあった。


でもそれ以上に子役サルーがかわいすぎて初登場のシーンから涙止まらなかった。「ルーム」の少年と同じくらい魅力的な子役で迫力ある映像もあって、前半パートは本当に完璧だった。
関係ないけど地下通路みたいなところで逃げるところが「第三の男」っぽさあった。

別に泣かせに来てる演出ではないけど突き付けられるインドの想像を絶する惨状とサルーの運命が切なすぎて本当に泣いた。


ただこのインドの話が思いのほか長くてオーストラリアパートが説明不足過ぎるのがこの映画の残念なところ。
尺的に仕方ないのかもしれないけど
サルーの青春時代とか、ルーニー・マーラ演じる恋人との関係とか、あと何より兄・マントッシュの過去とか説明が少なすぎて中盤イマイチ乗れなかった。

マントッシュだけで映画作れるくらいのものを背負ってるだろうしその辺がもう少し観れたらもっと好きな作品になったと思う。


まあ、最後の最後、「ハドソン川の奇跡」とかでもあった実話映画あるあるの本人たちのその後映像で結局泣かされるんですけどね(笑)

本作のこのパートは「ロレンツォのオイル」並みの感動でした。
ニコールキッドマンの母親ぶりがスーザンサランドンと被ってたのもあって、何かとロレンツォを思い出した。


ニコールキッドマンを筆頭としてインド、オーストラリア両パートともキャストが素晴らしく、映像もこれ以上無い作品なので是非オススメです。
あず

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