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たかが世界の終わりのkazu1961のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.7
▪️JPTitle :「たかが世界の終わり」
ORTitle:「Juste la fin du monde」
▪️First Release Year : 2016
▪️JP Release Date : 2017/02/11
▪️Production Country : カナダ・フランス
🏆Main Awards : 第69回カンヌ国際映画祭
グランプリ
▪️Appreciation Record : 2022-223
🕰Running Time : 99分
▪️Director : グザヴィエ・ドラン
▪️Writer : グザヴィエ・ドラン
▪️MusicD : ガブリエル・ヤレド
▪️Cast : ギャスパー・ウリエル、ナタリー・バイ、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル
▪️Review
🖋クローズアップされた家族の表情と会話劇、そして背景はそれを包み込む光と陰。これで家族すべでの情感を伝えてしまうのだから、やはりドラン監督の凄さを感じてしまいます。光と時間を操るドラン監督の映像に酔いしれながらも観終わった後にはその救いよう無さに疲労感すら感じてしまう、そんな作品です。

🖋次男の主人公と母親、長男とその妻、そして長女の5名の会話劇だけで物語は展開されます。自らの死を告げるために帰郷した主人公と、それを迎える家族の葛藤と、それぞれが不器用な故におきる切ない心のすれ違いを緊張感あふれる会話劇で描いていきます。

🖋そこには幾つかの隠喩があり、冒頭で流れるCamilleの「Home is where it Hurts」やラストシーンの家に一羽の小鳥が迷い込み鳩時計の中に入ってしまうシーンなどは、本作のテーマを雄弁に語っているように思います。

🖋主人公の母親も兄も妹も主人公ルイがなぜ家にいる戻ってきたかは気づいていたのだとも思います。でもそれぞれの不器用さと怖さからその事実から目を伏せようとしたのでは無いのでしょうか?その中でもルイと初対面だった兄の妻のカトリーヌは、 くもりのない彼女の視点から、ルイの真実が見えていて、冷静にことを見据えているのが印象的でした。

🖋複雑で多面的な人間模様が展開する本作、息苦しいほどのクローズアップに堪え、主人公ルイの憂いを好演するギャスパー・ウリエルをはじめ、レア・セドゥ(007/スペクターでボンドガールでしたね)、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイらフランスのスター俳優を贅沢に揃えていてその演技も見ものです。

🖋物語は。。。
人気作家として成功したルイが12年ぶりに家路につきます。34歳にして死期が迫っている事実を家族に伝えるための覚悟の帰郷でした。迎える実家では、念入りに化粧した母マルティーヌが料理の腕を振るい、妹シュザンヌは兄への憧れに胸を焦がし、興奮を抑えられません。一方、兄のアントワーヌは不機嫌でした。その妻カトリーヌも揃って食卓を囲むが、家族の会話はかみ合わず、居たたまれないルイは余命について言い出せないでいましたが。。。

▪️Overview (映画. comより)
「Mommy マミー」「わたしはロランス」などで高い評価を受けるカナダの若手監督グザビエ・ドランが、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のマリオン・コティヤール、「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥー、「ハンニバル・ライジング」のギャスパー・ウリエルらフランス映画界を代表する実力派キャスト共演で撮りあげた人間ドラマ。劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描き、第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた。若手作家のルイは自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい……。
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