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たかが世界の終わりのSpicaのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.8
ずっと疎遠にしていた家族にもうじき死ぬことを伝えられますか

余命いくばくもないことを伝えに来たのに家族はここぞとばかりに愛をぶつけてくる。ときに傷つけてしまう形で…

一瞬一瞬が、胸をえぐられるように痛みを伴う愛情に溢れていてずっと辛かったです。緊張と優しさともどかしさの合わさった、ピンと張った糸を揺らしてはいけないような時間でした。

「一番の問題は私たちはあなたがくれる時間を恐れてる」

母の言葉が心に残る。
兄が投げつけた激しくも不器用な感情も。
残される家族たちは肌で感じ取っていたのでしょうか。終わりが来ることを。だからこそきちんと終わらせなかったのでしょうか。ぐるぐる考えてしまいます。

ドラン監督作品は初めてでした。他の作品も気になります。
『たかが世界の終わり』という題名が本当に素晴らしい。
妹にレア・セドゥ、兄にヴァンサン・カッセル、兄妻にマリオン・コティヤール、母にナタリー・バイととても豪華なキャスト。
そしてギャスパー・ウリエル。彼の演技をもっともっと観たかったな。
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