2018年のルーシー・ウォーカー監督作品。前作から18年経ったBVSCメンバーたちのその後を追う。監督は変わったがヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を執る。
前作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(BVSC)のヒットにより政治的事情で日陰ジャンルだったキューバンラテン(ソン)に脚光が。BVSCは大人気となり世界中で公演を行い大好評を博す。数々の賞を受賞、メンバーらは高齢にして音楽家として最大の成功を収めるが1人また1人、この世に別れを告げる。
BVSCのその後を追ったドキュメンタリー映画。コンパイ・セグンド、ルベーン・ゴンサーレス、そしてイブライム・フェレールといった主要メンバーたちが最後の輝きを放ち亡くなっていく。ホワイトハウスでのライブを経て、2016年オバマ大統領は約90年ぶりに現職大統領としてキューバ訪問を果たす。
中心となる視点は"キューバのサラ・ヴォーン"ことオマーラ・ポルトゥオンド。バレエダンサーを目指したが有色人種であることを理由に断念し歌を始めた彼女はこの世を去ったBVSCのメンバーたちを見送り90歳を超えた今なおツアーを続けている。音楽で人生を変え世界にうねりをもたらした人々の物語。
前作と重複している部分が多かったり演奏シーンが短かったりと短所も見られるがBVSCファンならば必見。メンバーの死は哀しむべきことだが彼らのキューバ音楽のような陽気さで湿っぽくならない。奴隷として生きる辛さを歌っていてもなおメロディが明るいくらいだから。
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